「NASHの非侵襲的スクリーニングが可能に」

2021年8月5日
株式会社特殊免疫研究所

株式会社特殊免疫研究所(東京都文京区、代表取締役社長:伊藤行夫)は、2021年7月29日付で厚生労働省から、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)診断の補助を使用目的とした体外診断用医薬品「イムニス® サイトケラチン18F EIAの国内製造販売承認を取得しました(製造販売承認番号:30300EZX00064000)。NASH診断補助を目的とした体外診断薬国内で初めての承認1)で、保険収載後に販売を開始する予定です。

非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease、 [NAFLD])は、明らかな飲酒歴がないにもかかわらずアルコール性肝障害に類似した脂肪性肝障害を認める疾患です。日本では、検診受診者の29.7~32.2%を占めており、その多くが肥満、糖尿病、脂質異常症、高血圧などを伴い、メタボリックシンドロームが肝臓にもたらす病変として捉えられています2)。NAFLDで病気が悪化した状態であるNASHは肝臓の線維化が進む速度が速く、NASH肝硬変に進行すると、年率約2~3% が肝細胞がんに進展する予後不良の疾患です3)。平成 22年度厚生労働科学研究費肝炎等克服緊急対策研究事業では、日本におけるNAFLD は約1,000万人、NASH は約200万人と推定されています4)。NAFLDの有病率は増加傾向にあり、NASHについてもそれに伴って増加している可能性が高く、2016年の日本におけるNASH有病率は3.0と推定されています2)。
NASH確定診断のためには肝生検が必要ですが、肝生検は侵襲性を伴うことから、肝生検実施対象を絞り込むための非侵襲的な診断法の開発が望まれていました。

サイトケラチン18フラグメントアポトーシスと関連するマーカーで5)、本キットを使用した試験において、非アルコール性脂肪肝NAFLと比較して、NASHで高値となることが示されています6)。
「イムニス® サイトケラチン18F EIAは血清中のサイトケラチン18フラグメントを測定する酵素免疫測定法(ELISA)を原理とする試薬で、線維化指標と組み合わせることによって、NASH診断の補助として使用します。今回、体外診断薬として承認されたことによって、非侵襲的で簡便に肝生検を必要とするNASHを絞り込むことが可能になると期待されます。

引用:
1) 一般社団法人日本臨床検査薬協会 体外診断用医薬品集(2021年6月版)による当社調べ.
2) 日本消化器病学会 NAFLD/NASHの診療ガイドライン 2020.
3) 日本肝臓学会 NASH・NAFLDの診療ガイド2021.
4) 厚生労働科学研究費肝炎等克服緊急対策研究 平成22年度 研究報告.
5) Leers MPG, et al: Immunocytochemical detection and mapping of a cytokeratin 18 neo-epitope exposed during early apoptosis. J Pathol 187: 567-572, 1999.
6) Tada T, et al: Predictive value of cytokeratin-18 fragment levels for diagnosing steatohepatitis in patients with nonalcoholic fatty liver disease European Journal of Gastroenterology & Hepatology Jul 30, 2021. (in printing ) https://journals.lww.com/eurojgh/Abstract/9000/Predictive_value_of_cytokeratin_18_fragment_levels.97169.aspx#

【会社概要】 創業:1979年 資本金:1億円 従業員数:69名
創業からの事業である抗体・診断薬事業として、B型肝炎ウイルス、E型肝炎ウイルス、ヘリコバクター・ピロリ等の体外診断用医薬品・モノクローナル抗体・各種研究用試薬等の製造販売、輸出入販売及び研究開発を行っております。
また、2014年以降は組換生物事業として、ゲノム編集技術等を使用した遺伝子改変動物の作製・iPS細胞等の樹立及び細胞の遺伝子改変サービスを行い、抗体医薬評価用動物モデルの開発・販売等を含め、バイオ・ヘルスケア領域において事業を展開しております。