~共同研究結果を日本人間工学会にて発表予定~

コロナ禍における在宅時間を、手作りスイーツでもっと快適に。
神宮研究室とハウス食品株式会社が「フルーチェ」によるリラックス効果を明らかに
~共同研究結果を日本人間工学会にて発表予定~

金沢工業大学 情報フロンティア学部心理科学科の神宮英夫教授の研究室は、ハウス食品株式会社との共同研究(実験名:デザートベース作成時の触感がもたらすリラックス効果)において、ハウス食品株式会社が発売する牛乳でつくる液体デザートベース(商品名:フルーチェ)が、リラックス効果をもたらすことを確認しました。

本共同研究の結果は、5月22日(土)~23日(日)にオンライン開催される「日本人間工学会 第62回大会」にて、神宮研究室の小田島祐平さん(大学院工学研究科システム設計工学専攻博士前期課程1年)が「デザートベース作成時の触感がもたらすリラックス効果」として発表予定です。

ハウス食品のデザートベース「フルーチェ」

“手作りならではの価値”が再注目!
コロナ禍の影響により、家で過ごす時間が多くなっています。在宅勤務などの生活習慣の変化や、気軽に人と会えない状況の中で、ストレスを感じる機会が増えていることが考えられます。そんな中、2020年度のハウス食品株式会社の液体デザートベースの出荷数は前年比103.6%と伸長。外出自粛期間において家でのお菓子作りが見直されるなど(※1)、スイーツに求められる価値は美味しさだけでなく、作ることでの気分転換やリラックス効果への期待が強くなっていると考えました。

※1 引用元記事 FoodClip https://foodclip.cookpad.com/2570
 クックパッドユーザー(5,720名)にヒアリングしたアンケート調査より  (Q「新型コロナウイルス」収束後も続けたいものはありますか。)

共同研究について
この度、ハウス食品株式会社との共同研究において、牛乳でつくる液体デザートベースの調理・喫食によるリラックス効果の検証を行いました。

検証は、被験者をデザートベース作成群8名、休憩群5名に分け、心電計の測定結果(HF値 ※2)からリラックス効果を測定。最初に実験内容を教示し、20分間の音声データの文字起こし(課題①)を行った後、「デザートベース作成」または「3分間の休憩」を挟んで、再度20分間の文字起こし(課題②)を実施。その後、デザートベース作成群のみ喫食し、VAS尺度(※3)による感性評価を行いました。なお、休憩時間の3分間はデザートベース作成時間を目安に設定しています。

※2 HF値:心電波形のピーク間の時間を周波数解析して得られた高周波成分(0.15Hz~0.40Hz)の値で、自律神経の副交感神経の活性化指標
※3 VAS(Visual Analogue Scale):喫食者の主観的な感覚を評価する調査手法

結果① ただ休憩するよりも、デザートベース(フルーチェ)作成時のほうがリラックス
HF値を比較した下記の図1より、単に何もせずに休憩(休憩群)するよりも、デザートベースを作っている時(作成群)の方がより高いリラックス効果が得られることがわかりました。これは、デザートベース作成時の触感がリラックス効果をもたらしたと考えられます。また、そのリラックス効果が課題②にも影響を与えていたことが考えられます。

図1 各セクションの条件間でのHF値の比較

【各セクションの説明】
1:課題① 2:作成・休憩
3:課題② 4:喫食

デザートベース作成群HF値は休憩群HF値と比較して有意差があり、より高いリラックス効果が見られた。課題①セクションから有意差があり、デザートベース作成前の段階からリラックス効果が見られた。

 
結果② 「デザートベース(フルーチェ)を作って食べる」と聞くだけでリラックス状態に
図1より、「課題①」の段階から、デザートベース作成群のリラックス効果が高いことがわかりました。これは実験の最初に「デザートベースを作って食べる」という情報を聞くことで、副交感神経の活性化傾向が確認でき、リラックス効果を示すものと考えられます。

 
結果③ デザートベース(フルーチェ)の喫食中と喫食後には、リラックスと落ち着きをもたらす
VAS評価(主観的な感覚の評価)では、喫食中と喫食後にリラックスと落ち着きを感じていることがわかりました。VAS尺度では、各動作を「リラックス」「落ち着く」「癒される」の3項目で評価し、その値を図2に示しました。3項目それぞれで分散分析を行った結果、動作工程4(スプーンで食べる)と動作工程5(食べ終わった後)で、「リラックス」「落ち着く」において有意な差が見られました。

図2 各動作のVAS評価値


【各動作工程の説明】
1 :箱からパウチを出し、パウチをボールにあけ、牛乳を注ぐ
2 ボールの中で混ぜる
3 スプーンで皿からすくい、10秒見つめる
4 スプーンで食べる
5 食べ終わった後
工程4、5で「リラックス」「落ち着く」の項目で有意差が見られた。

神宮英夫教授のコメント
「以前に作ったことがある」「TVCMを見たことがある」などの、フルーチェに対する先行経験の記憶が、今回のようなリラックス効果をもたらしているものと考えられます。コロナ禍の中で、疲弊した心の状態で毎日を過ごしている方が多くおられます。本結果を参考にしていただき、少しでも、心を切り替えるきっかけにしていただければ幸いです。

神宮研究室とハウス食品株式会社は、引き続き、触感とリラックス効果の関係については、継続して実験を行っていく予定です。