脳には休憩が必要なことが明らかに

2021年4月23日
日本マイクロソフト

 
 マイクロソフト コーポレーションは、米国時間4月20日(火)に“Research Proves Your Brain Needs Breaks”と題した働き方分析レポートの最新版を公開し、休憩を入れずに連続して会議を行うと、ストレスが高まり、集中力やエンゲージメントが低下することや、Microsoft OutlookおよびTeamsに、休憩時間を自動的に入れる機能などを提供することを発表しました。その抄訳の抜粋を下記にご紹介します。

 パンデミックによって日常生活が混乱し、業務のデジタル化が進む中、何百人ものマイクロソフトの研究者が集結して働き方の変化を調査し、同分野における世界最大級の調査をまとめました。最新の研究は、この取り組みがベースとなったものです。マイクロソフトのヒューマンファクターズ研究所にて、リモートワークやハイブリッドな働き方の新たな時代において喫緊の課題となっている会議疲れの解決策を模索しました。人間とテクノロジの関わりを調査している同研究所の研究者は、14人を対象に脳波(EEG)計測器を装着してビデオ会議に参加してもらいました。参加者は、それぞれ2つの異なる会議に参加しました。ある日には、30分会議を4回連続で詰め込み、それぞれの会議で異なるタスクに取り組みました。例えば、オフィスのレイアウトをデザインしたり、マーケティングプランを作ったりしました。またある日は、4回の30分会議の合間に10分間の休憩を入れました。参加者はひとつの会議から次の会議へと急いで移るのではなく、休憩時間中にHeadspaceのアプリで瞑想しました。データを明確にするため、参加者は全員休憩時間中に同じ活動(瞑想)をするよう指示されました。このセッションは、2週連続で月曜日に行われ、一方の参加者は連続会議から、そしてもう一方の参加者は会議の途中に休憩を入れることから始め、翌週にはその立場を逆にしました。調査の結果、3つのポイントが明らかになりました。

1. 会議と会議の合間に休憩を入れることで脳が「リセット」され、会議で徐々に蓄積するストレスを和らげることが可能です。

 以前の調査にもありましたが、2時間連続で会議することにより、ストレスに関連するベータ波の平均的な活動が徐々に高まり、ストレスが蓄積されます。しかし、瞑想して休む時間が与えられると、ベータ活動は低下し、「リセット」が可能になります。ビデオ会議の合間に休憩時間を入れることで、ストレスの蓄積を抑制できます。

 脳波(EEG)計測器を使って会議参加者のストレスに関連するベータ波の活動を測定しました

2. 会議を詰め込むと、集中力とエンゲージメント力が低下します

 休憩時間に瞑想した参加者の脳波のパターンは、前頭葉のアルファ波の非対称性が高いレベルで出ていました。これは、会議中のエンゲージメントが高いことを示します。休憩をとっていない人は、前頭葉のアルファ波の非対称性がマイナスレベルで、会議中に離脱状態にあることや、エンゲージメントが下がっていることを示しています。休憩はウェルビーイングに良いだけでなく、仕事で最高のパフォーマンスを出す力も高めるのです。

休憩を取ることで、エンゲージメントが向上

 
3. 次の会議への移行が高ストレスの原因となることもあります。

 休憩が無かった参加者には、会議から次の会議に移る移行時にもベータ活動が見られ、ストレスレベルが急増することがわかりました。休憩時間に瞑想した人は、上昇していたベータ活動が会議の合間に低下し、次の会議が開始した時に上昇してもより緩やかでスムーズな動きでした。会議の合間に休憩を取れば、このようなストレスは和らぐことがわかります。

 
ひとつの会議が終わってすぐに次の会議に入ると、ストレスが急上昇

マイクロソフトの製品や業務への対応

 今回の調査結果は、Microsoft Outlook の設定に反映され、個人や組織が Microsoft Teams の会議を5分、10分、15分削るというデフォルト設定ができるようになり、その合間に休憩がとれるようになりました。例えば、個人や企業で会議を特定の時間の5分や35分から開始すると決めることで、30分の会議が25分になり、1時間の会議が55分になります。つまり、11時に始まる予定の 30分間の会議は、11時5分に始まる 25分間の会議になります。また、デジタルによって過度な負荷がかかるデジタルオーバーロードは、リモートワークやハイブリッドな働き方という新時代において喫緊の課題となっています。マイクロソフトが3月に公開した2021年Work Trend Indexでは、グローバルな外部調査にて54%の回答者が自分は働き過ぎだと感じており、39%が完全に疲れ切っていると答えています。

 この1年でマイクロソフトは、このような急速な変化の時代に健康を促進するような新機能をリリースしてきました。Microsoft TeamsのTogetherモードは会議疲れを解消し、バーチャル通勤は仕事と家庭の境界線を再構築する際に役立つ機能です。また、Microsoft Viva Insightsアプリと一緒に提供されるHeadspaceは、マインドフルネスを促進するものです。今回Outlookで新たな設定ができるようになったことは、ウェルビーイングへの道のりに向かう次のステップであり、今後も新たな機能が登場する予定です。

休憩時間を有効活用して、会議疲れに打ち勝つ戦略とは

 休憩時間を作ることなど簡単なように思えますが、実行に移すのは難しいものです。そこで、休憩時間を確保し、その時間を最大限活用し、会議をより効率的で活気あるものにするために、研究に基づいたヒントをまとめました。

考え方を変えてみましょう。休み無しに働いた方が効率的だと感じるかもしれませんが、調査では逆の結果が出ています。PCから離れることも重要な仕事のうちだと考えるようにしましょう。

心が落ち着くような休憩時間の過ごし方を見つけましょう。会議の合間にリラックスし元気を取り戻すには瞑想が効果的ですが、他の研究ではウォーキングなど体を動かすことが有効だという結果も出ています。マイクロソフトの過去の研究では、だらだらしたり楽しいものを読んだりすることにも効果があることがわかりました。

他のコミュニケーション手段を検討し、休憩をさらに増やしてみましょう。ビデオ通話のスケジュールを立てる前に、この課題について本当に会議する必要があるのか、立ち止まって考えてみてください。状況確認や情報に関することであれば、メールやチャットなどの方が良いかもしれません。

会議をより計画的に実施しましょう。最も良いとされる会議は、時間も短く計画的なものです。事前にアジェンダを作成し送信しておくことや、出席者をしっかり考えること、時間通りに開始し終了すること、最後の5分間はまとめに入ること、といったようなベストプラクティスを実践することで、より短時間に目標を達成できます。

参加者のエンゲージメントを高め、活気づけましょう。バーチャル会議では、会議の進行役が、リモートの参加者を確実に巻き込んでいくようにしましょう。Microsoft Teamsの挙手機能やホワイトボード、ブレイクアウトルームなどのテクノロジも活用することで、創造的で戦略的な会話を引き出してください。

本レポートの詳細は下記Webサイトを参照ください。
https://news.microsoft.com/ja-jp/2021/04/23/210423-brain-research/