アイヌ文化、米国へ発信 高岡のホクセイプロダクツ オレゴン州の庭園に着物や道具展示

2020/07/28 01:22

 総合商社のホクセイプロダクツ(高岡市)は、北海道のアイヌ民族の文化を米国に発信する取り組みを始めた。独特の刺しゅうを施した着物や道具を同社の現地法人があるオレゴン州のポートランド日本庭園に展示する。明治から昭和にかけ、北前船で結ばれた富山と北海道の縁を背景とし、民族多様性の尊重と理解促進の一翼を担う。

 

 ポートランド日本庭園は1963(昭和38)年に創設され、池泉(ちせん)回遊式庭園や茶庭、自然庭など八つの様式で構成される。2017年には建築家の隈研吾氏による監修でリニューアルオープンし、年間40万人の観光客が訪れている。

 

 同庭園で昨年7、8月、北海道をテーマとしたフェアがあり、ホクセイプロダクツを通じて、切り伏せと呼ばれる文様を刺しゅうしたアイヌ民族の着物「カパリミ」や盆、コースターが展示販売された。同社はフェアに先立ち、庭園側の米国人担当者を北海道平取町の二風谷(にぶたに)アイヌ文化博物館に招き、アイヌ民族の子孫と交流してもらった。

 

 同社はフェアの開催をきっかけに、ポートランド日本庭園内にアイヌ民族ゆかりの品々を常設展示するコーナーを設置した。今後、さらに展示内容を充実させ、発信力を強化する。

 

 アイヌ民族をめぐっては11日、北海道白老(しらおい)町のポロト湖畔に国立のアイヌ文化施設「民族共生象徴空間(ウポポイ)」がオープンした。ホクセイプロダクツの冨田昇太郎社長は「先住民族の多様性尊重は国際的に重要なテーマになっている。北海道と富山はゆかりが深く、意識醸成の一助になりたい」と話した。