ササの刈り取りに汗を流す住民=小矢部市五郎丸

「田近越(たぢかごえ)」、住民が復元 小矢部と金沢結ぶ古道 北蟹谷史跡愛護会

2020/06/03 01:24

 小矢部市と金沢市を結ぶ古道「田近越(たぢかごえ)」が文化庁の「歴史の道百選」に追加選定されたのを受け、小矢部市の北蟹谷史跡愛護会は田近越の全長約6キロのうち、地元でも道筋がはっきりしていなかった約1キロを復元した。昭和初期の地形図などを参考に、会員がササに覆われていた道筋を特定した。今月中旬にも案内表示を設置し、歴史散策を楽しめる環境を整える。

 

 田近越は、明治末期まで富山、石川の県境を越える住民が使っていたが、付近に県道が整備されたため、保全なども行われなくなっていた。愛護会は今年4月下旬から5月下旬にかけて調査し、ササに覆われた一帯から田近越の一部とみられる痕跡を発見した。

 

 今回特定されたのは、県境に近い小矢部市五郎丸の作業道から山に入り、県境沿いに尾根を進んだ後、小矢部、金沢市と津幡町の境界にある「梨の木平山」(標高263メートル)の北側を通り、津幡町内の作業道に続く1040メートル。内訳は小矢部市側が630メートル、津幡町側が410メートルとなる。

 

 2日には、会員6人が小矢部市五郎丸の現地でササの刈り取りを行い、梨の木平山の頂上部を広場に整備した。

 

 田近越は、昨年10月に南砺市と金沢市を結ぶ小原(おはら)越(ごえ)と二俣越(ふたまたごえ)とともに、「歴史の道百選」に一括して追加選定され、道筋には南北朝期に築城された一乗寺城跡などが残る。愛護会の水口久太郎会長は「より古道らしく整備されたと思う。ゆっくりと歴史散策を楽しんでほしい」と話した。