富山市細入中核型地区センター近くに出没したサル=昨年12月27日、同市楡原

電話1本、サル情報 撃退へ細入全地区が共有

2020/01/04 00:54

 畑を荒らすサルの被害に悩む富山市細入地域が、全10地区に電話1本でサルの出没情報を知らせる連絡体制を整備した。地区ごとに担当者を決め、目撃場所や逃げた方向をほかの地区に伝え、サルを素早く追い払う。細入地域周辺には約120匹が生息しているとみられる。専門家によると、サルは繰り返し危険を感じると、近寄らなくなるとされ、地域一丸で被害に歯止めをかける。

 

 各地区の男性3~5人が連絡システムに登録し、特定の電話番号に発信すると、話した内容を登録者全員が聞くことができる。

 

 細入地域には約20年前からサルが出没するようになり、現在は集落周辺に約50匹の群れが二つ、約20匹の群れ一つが生息している。サルは群れで人里に降りてくるため、一度に複数の畑が被害に遭う。

 

 住民は電気柵を設置するなど対策をとってきたが、サルは電気が通っていない支柱を登って侵入したり、体が小さい子ザルを隙間から入らせて野菜をとっていったりと、知恵比べが続く。

 

 細入地域では2018年から、サルを追い払うため、射程距離が最大約50メートルで連射機能を備えた強力な電動エアガンを全地区に配備している。連絡システムでサルが集落に近づいていることをいち早く知り、エアガンを効果的に使う。

 

 県自然博物園ねいの里の野生鳥獣共生管理員で、細入地域の庵谷地区自治会長を務める赤座久明さん(66)は、エアガンによる痛みや音で繰り返し追い払うと、サルが集落を「危険で怖い場所」と学習するという。

 

 自治会連合会長の江尻裕亮(65)さんは「システムを生かして、被害を抑えていきたい」と話した。