富山のライチョウ雄、石川など3施設へ 近く移送、保護繁殖の一環

2019/03/20 02:07

 富山市ファミリーパークは19日、飼育している国の天然記念物で絶滅危惧種の「ニホンライチョウ」の雄3羽を、いしかわ動物園(能美市)など3施設に移すと発表した。環境省などが進める保護繁殖事業の一環で、各施設が人工繁殖などに取り組む。ファミリーパークが成鳥をほかの施設に移送するのは初めてとなる。

 

 ファミリーパークは現在、国内最多の雄8羽と雌3羽の計11羽を飼育し、15日からは雄2羽を一般公開している。

 

 22日に上野動物園(東京)、25日にいしかわ動物園と横浜市繁殖センターに1羽ずつ移送する。上野、いしかわ動物園には、北ア・乗鞍岳で採取した卵から生まれた個体、横浜市繁殖センターには人工繁殖で育った個体を移す。いずれも車で搬出される。

 

 ニホンライチョウは環境の変化に敏感とされ、成鳥の移送はされていなかった。昨年3月に大町山岳博物館(長野)から那須どうぶつ王国(栃木)への移送に成功したことから、一定の安全性が確認された。ファミリーパークは近縁亜種の「スバールバルライチョウ」の移送を行っており、これまでの経験を生かす。

 

 いしかわ動物園では、移送された雄と、昨年12月に上野動物園から移された雌の相性を確認し、同じケージに入れる。早ければ4月下旬に繁殖行動が見られるようになり、順調なら5月に産卵、6月にもふ化が期待できる。

 

 今回の移送によって、いしかわ動物園がつがいを飼育して繁殖させる5カ所目の施設となる。ファミリーパークの村井仁志動物課長は「個体の移送が行われることにより、遺伝的多様性に配慮した保全が可能になる」と話した。