シルクナノファイバーを使って試作された化粧品=富山県産業技術研究開発センター

シルクナノ繊維で化粧品 潤い持続など効果拡大

2019/01/05 01:46

 富山県産業技術研究開発センターものづくり研究開発センター(高岡市)は4日までに、新しい繊維素材「シルクナノファイバー(SNF)」を配合した化粧水やジェルなどの化粧品の試作品を完成させた。既製のシルク入り化粧品に比べ、効能が優れていることも確認した。産業機械メーカー「スギノマシン」(魚津市)と共同開発したSNFは2次利用が容易で、化粧品の製品化とともに塗り薬など医薬品にも応用が期待される。

 

 SNFは、蚕の繭から作られるシルクを、スギノマシンの超高圧ウオータージェットの技術を応用した装置を用いて製造する。シルクが持つ保湿性や細胞活性化の特性を保ったまま、水に均一に分散した状態で千分の1ミリ単位に微細化できる。

 

 シルクは保水力が高く、天然物という安心感から化粧品では主に高価格帯の商品に使われる。従来の化粧品ではパウダー状にしたシルクを混ぜ合わせていた。パウダーの表面積が小さく、時間がたつと水と分離するため、増粘剤(ぞうねんざい)を加えなければ、化粧品としての効能を十分に発揮できなかった。

 

 センターは、SNFに増粘剤として使われる化成品「カルボキシビニルポリマー(カルボマー)」を混ぜ合わせたジェルや、乳液と混ぜ合わせた化粧水などを作製。増粘効果と肌への水分保持効果を調べた。

 

 その結果、カルボマーのみを混合したジェルと比べ、SNFをカルボマーに混合すると粘度が上昇した。SNF未添加の乳液と比較すると、肌水分量が1割程度増加し、水分の保持時間が長くなった。

 

 これによって、従来よりも少ない増粘剤で化粧品を作製でき、化成品に対するアレルギーが軽減される。保水力の高さから化粧品の効果が拡大、長時間の持続が期待できる。

 

 さらに、塊を保ちながらもさっぱりした触感となるため、保湿性の高いクリームといった粘度の高い化粧品もべた付かず肌に薄く均一に塗ることが可能になるという。

 

 センターは1月30日~2月1日、千葉市で開かれる化粧品開発展に出展し、SNFの利用拡大を図る。センターの近藤兼司副主幹は「SNFをさまざまなものに応用し、富山のSNFをPRしていきたい」と話した。