富山電気ビル=富山市桜橋通り

富山電気ビルを国有形文化財に 文化審が答申

2018/07/21 02:27

 文化審議会は20日、富山電気ビルディング(富山市桜橋通り)を国の登録有形文化財(建造物)に登録するよう林芳正文部科学相に答申した。富山電気ビル本館は富山県内初の鉄筋コンクリート造の本格的な複合オフィスビル。本館と新館の2件が登録される予定で、県内の国登録有形文化財は63カ所129件となる。

 

 富山電気ビルは、本館が1936(昭和11)年に完成し、地上5階、地下1階、塔屋付きの構造。柱形を並べて垂直性を強調した外観に、中央部のバルコニーや両端の丸窓など変化をつけたモダニズム建築が特徴で、県産業の近代化を象徴する歴史的建造物とされる。県庁とともに富山大空襲で焼け残り、富山市復興のシンボルとなった。

 

 新館は56(昭和31)年に完成し、鉄筋コンクリート造、地上6階、地下1階。全体的にシンプルでモダンな意匠が特徴となる。柱形や窓などの機能上必要な要素のみを巧みに構成した外観は、建築年代が異なる本館と比べても増築の違和感がない。外観を一体化させ、角地に並んで建ち、幹線道路沿いの近代的な都市景観を形成している。

 

 ビルを所有する富山電気ビルデイング(富山市)の山田岩男社長は、建物が空襲や進駐軍による接収といった困難な時代を乗り越えてきたとし「富山の発展とともに歩んできた歴史的価値が認められ、光栄に思う。今後も大切に利用し、将来に引き継いでいきたい」とコメントした。

 

 全国では、東京都調布市の旧武者小路実篤邸主屋や長野県軽井沢町の万平ホテルアルプス館など、33都府県から209件の建造物が答申された。