県高校総体の代替試合で熱戦を繰り広げる桜丘と星稜の3年生部員=金沢市民サッカー場

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3年生そろう「最終戦」 桜丘と星稜サッカー部 高校総体に代わるはなむけの舞台

2020/06/22 01:51

 新型コロナウイルスの影響で石川県高校総体が中止となったことを受け、桜丘と星稜のサッカー部が21日、金沢市民サッカー場で、3年生のみの代替試合を行った。全国高校選手権大会の開催の見通しが立たない中、両校の監督らが、受験のため引退を決めた選手へのはなむけの意味も込め、舞台を準備。選手はそれぞれの思いを胸に、全員がそろう最後のピッチを駆けた。

 

 代替試合は、高校生活の集大成を発揮する場を失った桜丘24人、星稜45人の3年生のため、両校の関係者が「県高校総体の決勝のような舞台を用意しよう」と企画した。会場には決勝の地の「金沢市民サッカー場」を選んだ。

 

 代替試合は20分ごとにメンバーを交代し、引退する桜丘8人、星稜9人の選手をはじめ、両チームの3年生全員が出場した。2―2で終了のホイッスルを迎える好ゲームを繰り広げ、スタンドからは駆け付けた保護者や1、2年生部員らから温かい声援が送られた。

 

 6月に入り引退を決め練習に区切りを付けた桜丘の米島啓さんは当初、「受験への気持ちが揺らぐかもしれない」と参加をためらったが、同級生や監督から強い勧めを受け、17日に急きょ出場を決めた。終盤、右サイドハーフで20分間出場した。

 

 入部してから初めてスタンドの大声援を受けてピッチに立ったという米島さんは「特別な場所で試合ができた。練習不足で最後はばててしまったけど、ベストは尽くせた」とすがすがしい表情を見せた。

 

 同じく引退する桜丘の野上冬馬さんをスタンドから見守った母有里さん(54)は「息子の雄姿がもう見られないのは残念。練習できず目標を失い、悔しい思いをしながらも、進む道を自分で決めたことを褒めたい」と目を潤ませた。

 

 星稜側のスタンド前では試合後、引退する各部員が1人ずつチームメイトや保護者に向けて「最高の仲間ができた」「今まで支えてくれてありがとう」などと感謝を伝えた。河合伸幸監督は「昨年の県高校総体ベスト4のチーム同士、素晴らしいゲームになった。いい環境で選手を送り出せたと思う」と選手に温かいまなざしを向けた。

 

 冬の風物詩ともいえる全国高校サッカー選手権は現在、開催の方向で検討されている。両校のサッカー部に残る3年生の多くは同選手権出場を目指し、秋の県予選に向けて練習を続ける。