抑え投手として活躍したミリスタ時代の寺田さん

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技巧派右腕、次の道は「医師」挑戦 元ミリスタ、DeNAの寺田さん 父追い猛勉強

2020/06/01 01:53

 戦力外通告から一念発起、技巧派右腕の次なる目標は「医師」に決まった。寺田光輝(こうき)さん(28)は2016、17年に石川ミリオンスターズで活躍し、ドラフト6位で横浜DeNAに入団。父は開業医で、新型コロナウイルスの患者を救う最前線で働く。横浜での2年間で1軍登板はかなわなかったものの「患者に寄り添う医師を目指す」と話し、地元三重県で医学部進学に向け猛勉強中だ。

 

 横浜では度重なるけがに泣いた。腰のヘルニアで手術を受けたが、本来の投球は戻らず、昨年10月に戦力外を告げられた。その後、トライアウトに挑むも獲得に動く球団はなく、引退を決意した。

 

 次の目標を決めるのに時間は掛からなかった。父を含め家族や親戚に医師が多く、自身もミリスタ在籍時から「野球で燃え尽きたら、医師になりたい」と周囲に夢を語っていた。

 

 野球の実力もさることながら、二つの国立大に通った「高学歴」は独立リーグで異色だった。三重大教育学部を中退、浪人を経て筑波大体育専門学群に合格。卒業後は地銀への就職が決まっていたが、野球を諦めきれず、内定を蹴ってミリスタに入団。1年目はクローザーで活躍し、3勝1敗19セーブ。翌年のドラフトで指名された。

 

 身長175センチ、76キロ。苦難を乗り越え、夢をつかんだことは大きな財産。「ミリスタで野球ができたから今がある。後悔なくやりきれて、うれしく思っています」と言い切る。

 

 けがに苦しんだ自らの野球人生。父の背中を追い、医師の立場から人を支えることが「野球への恩返し」と思っている。