発電用部品の交換作業が行われた手取川第二発電所=今年1月、白山市内

水力8カ所大規模改修 北電、22年度までに着手

2020/07/21 01:36

 北陸電力は石川、富山両県などの水力発電所計8カ所で大規模改修を実施する。2022年度までに工事に着手し、老朽化した水車を交換するなどして発電能力を高める。22年度には新潟県内で新たな水力発電所を建設する。国で石炭火力発電所の休廃止議論が始まる中、再生可能エネルギーの発電量を増やし、電力の安定供給につなげる。

 

 北陸電力の発電量全体に占める水力発電の比率は28%を占め、全国の大手電力会社の中で最も高い。

 

 2019年度の水力発電の発電量は約62億キロワット時で、発電所の改修などで上乗せする。昨年8月に葛山(岐阜県)、今年5月に馬場島(富山県上市町)で改修が始まり、21年5月に三ツ又第一(白山市)、22年4月に見座(みざ)(岐阜県)の水力発電所で着工する。このほか4カ所で改修を予定している。

 

 北電グループは現在、新潟県糸魚川市で、22年度の運転開始に向けて「新姫川第六発電所」の建設を進めている。新設は15年に営業運転を始めた片貝別又発電所(魚津市)以来となる。

 

 一方、ソフト面でも水力発電の強化を進めており、AI(人工知能)を活用したダムの運用システムを開発した。降雨時にダムにどれほど水がたまるかを予測し、無駄な放流を防ぐことでダムの水位を保ち、水力発電を安定的に稼働できる。

 

 経済産業省は今月、二酸化炭素(CO2)の排出量が多い非効率な石炭火力発電所について30年度までの段階的な休廃止に向けて議論を始めた。

 

 北電管内では、石炭火力6基のうち3基が非効率な発電所に分類されるとみられ、北電は議論の行方を注視している。3基は富山新港火力の石炭1号機(1971年稼働)と同2号機(72年)、敦賀火力1号機(91年)で、このうち、富山新港火力の石炭1号機は2024年度の廃止が決まっている。

 

 北電は再生可能エネルギーの拡大による「低炭素化への取り組み」を経営ビジョンに掲げており、今後はCO2を排出しない水力発電の存在感がさらに増す可能性がある。