「所在不明」の会員除名 北陸の信金

2020/06/13 00:57

 北陸の信用金庫が長期間にわたって連絡がとれない「所在不明会員」の除名を進めている。会員の子孫が遠方に転出して行方が分からないなど空き家問題と同じ背景があり、全国に90万人規模の不明会員がいるとされる。金沢信金は昨年に続き、今年の総代会でも除名手続きを提案するほか、高岡信金は12日に初めて付議した。各信金は低金利下で業務の効率化に励む中、会員の管理コストを縮減するため手続きに踏み切っている。

 

 金沢信金は2019年の総代会で初めて不明会員の除名手続きを議案とした。対象者は今年と合わせて約100人規模となる。

 

 「所在不明」と言える要件は、5年間にわたり連絡がつかず取引もないことで、職員が住所などを訪ね歩く必要がある。担当者は「所在不明の会員が増えると、事務や管理の手間が増えていく。そのため、一定の整理が必要になる」と話す。

 

 のと共栄、北陸、興能、鶴来の4信金は不明会員の情報確認を進めている段階であり、今年の総代会には諮らない。

 

 会員になる資格は営業地域の個人や所在する中小事業者が持つ。会員になると出資金を納め、配当を受ける。14年9月に信用金庫法施行規則が改正されて除名できるようになった。全国信金協会によると、全国には900万人超の会員がおり、1割ほどの所在が分からないとみられる。

 

 富山県では今年、富山、高岡、新湊の3信金が除名の議案を諮る。にいかわ、氷見伏木、砺波、石動の4信金は予定しない。

 

 富山信金は18、19年に続き、3年連続で総代会に除名の議案を提出する。同信金の会員は約2万7千人おり、不明会員の人数は公表していないが、数百人規模とみられる。

 

 一方、氷見伏木信金は18、19年に議題とし、不明会員がいなくなったため見送る。にいかわ信金は情報を整理中で、21年には準備が整うという。ある信金の担当者は「除名にも手間や時間がかかるので大変だ」と悩ましげに語った。