新入社員研修で使うテレビ会議システムを準備する社員=金沢市のアイ・オー・データ機器

新入社員、自宅待機広がる 新型コロナで北陸の企業

2020/03/28 01:30

 新型コロナウイルスの感染を防ぐため、北陸の企業で、新入社員を4月1日から自宅待機とする動きが広がっている。待機中は、本社と自宅をテレビ会議システムでつなぎ、遠隔でビジネスマナーなどの研修を行う企業も出てきた。事態の収束が見通せない中、自宅待機の終了時期が固まっていない会社もあり、各社は異例ずくめの対応を強いられている。

 

 「入社式後すぐに自宅待機となるのは残念だが、感染防止のためには仕方ない」。アイ・オー・データ機器(金沢市)の担当者がこう話す。同社は4月1日の入社式後、新入社員15人にノートパソコンを配り、テレビ会議システムを使った自宅研修に入る。

 

 本社会議室に機材を置き、各部署の担当者が仕事の内容を紹介する様子を中継する。研修は2週間ほどを予定しているが、ウイルスの終息状況をみて、さらに待機期間を延長することも検討している。

 

 社内ではテレビ会議システムを頻繁に使うことから、担当者は「研修の間にシステムに慣れることができるので、マイナスばかりでない」と前を向く。

 

 入社式を中止した北國銀行や北陸電力、式典の延期を決めたインテック(富山市)も新入社員を自宅待機とする。

 

 北國銀行はパソコンを通じたオンライン研修を実施する。ビジネスマナーの講師や各部署の担当者による講話を配信する予定で、担当者は「時間割を決め、行員教育に支障が出ないよう取り組む」とし、準備を急いでいる。

 

 インテックはテレビ会議システムなどによる研修を行い、北陸電力は社員に毎日課題を出してリポートの提出を求める。

 

 「自宅待機組」以外の企業でも、研修会場を分散するなど、ウイルスの感染防止対策に工夫を凝らしている。

 

 澁谷工業(金沢市)は、研修場所を3会場に分けて実施し、大人数が集まるのを避ける。入社式をしない代わりに、研修会場で澁谷弘利社長のビデオメッセージを流す。担当者は「研修会場を分けると負担は大きくなるが、社員の安全が最優先だ」とする。

 

 北陸銀行も新入行員の研修会場を2カ所に分散し、期間を例年の1カ月半から1カ月に短縮する。クスリのアオキ(白山市)も複数のグループで新人研修を行う。

 

 自宅研修を行う企業からは「新人の士気が下がるのでないか」などと不安が漏れ、手探りの状態が続いている。