新システムの共同開発に意欲をみせる中専務(左)と落谷教授=東京・大手町の経団連会館

再生医療装置を開発 澁谷工業、東京医科大と共同研究

2020/02/06 02:06

 澁谷工業(金沢市)は5日、再生医療に関する装置を開発するため、東京医科大と共同研究契約を締結したと発表した。体内で細胞間のタンパク質輸送などを担う情報伝達物質「エクソソーム」を大量生産するシステムの開発を目指す。さまざまな病気の治療や診断、美容、機能性食品分野の用途が期待されるという。

 

 研究を担当する同大の落谷孝広教授によると、あらゆる細胞から分泌されるエクソソームには、他の細胞に情報を伝えたり、影響を及ぼしたりする役割があるとされ、病気の治療や診断の一助になるとして世界的に応用研究や実用化が進んでいる。ただ、既存システムでは精製量が少なく、費用もかかるため、大量の培養液から安価で高濃縮の物質を精製するシステムが求められていた。

 

 澁谷工業と東京医科大が取り組んだ実験用のシステムでは、処理量や濃度を高められる結果が出ているという。今後、研究開発を進め、夏ごろの完成を予定している。販売はオーダーメード方式で、数千万円規模になる見通しだ。

 

 東京・大手町の経団連会館で会見した同社の中俊明専務は「当社のボトリングと再生医療部門の技術をうまく組み合わせれば成果を上げられる」と意欲を述べ、落谷教授は「澁谷工業の技術を基に患者のためになる形を整えたい」と抱負を語った。本多宗隆常務らも同席した。