経常益、3行前年割れ 北陸の地銀 不良債権処理増で圧迫

2019/11/13 01:42

 北陸の地銀6行の2019年9月中間期単体決算が12日出そろい、経常利益は3行で減少した。日銀のマイナス金利政策の長期化による利ざやの縮小が続く中、不良債権処理額の増加などが利益を圧迫した。各行は経費削減や、コンサルティングなど手数料ビジネスの強化を急いでいるが、通期は5行が経常減益を予想しており、銀行経営を巡る厳しい状況が続いている。

 

 中間期で経常減益となったのは北國、北陸、富山第一の3行だった。このうち、北國、北陸は銀行収益の柱である資金利益が減り、本業のもうけを示すコア業務純益も減少した。

 

 北國銀行は不良債権処理額が前年同期の10億円から48億円に膨らみ、利益を押し下げた。一部取引先の債務者区分を引き下げた結果、コストが増えた。

 

 安宅建樹頭取は会見で、米中貿易摩擦の影響を否定したものの、先行きに関しては「地域経済に及ぼすリスクが高まっている」と警戒感を示した。有価証券関係損益の増加が寄与し、経常利益の減少率は0・4%にとどめた。

 

 北陸銀行は不良債権処理額が32億円に増えた。前年同期に計上した戻し入れ益が今期は発生せず、経常損益を圧迫する要因の一つとなった。

 

 庵栄伸頭取は会見で、「三大都市圏で営業展開をしていく中で、粉飾による倒産があったり、業況の大幅な悪化が見られた」と説明した。

 

 富山第一銀行では、不良債権処理額は減少したが、株式等損益が前年同期の反動で大きく減少し、経常減益となった。

 

 一方、中間期で経常増益となった富山、福井、福邦の各行も通期では減益を見込んでいる。

 

 11日、福島銀行とインターネット金融大手SBIホールディングスが資本業務提携を発表。北陸でも、福井、福邦両銀行が来年3月の包括連携協定に向け、店舗や現金自動預払機(ATM)の共同化などの協議を重ねている。

 

 超低金利環境が長引き、日銀によるマイナス金利拡大の観測も流れる中、北陸の地銀関係者からは「利回りの改善は今後も見通しにくい。これまで以上にコスト意識を強くし、収益源を多様化しなければ成長は難しい」との声も漏れている。