会見に臨む澁谷社長(右)と玉田教授=金沢市内のホテル

がん攻撃細胞を自動製造 澁谷工業、山口大と装置開発へ

2019/11/07 01:52

 澁谷工業(金沢市)は、最先端のがん治療に使う免疫細胞を自動製造する装置の開発に乗り出した。同社が培った自動ロボットによる細胞培養システムを活用し、山口大の研究グループらと共同開発する。この免疫細胞は効果的な治療法がなかった固形がんに対して強い攻撃力を持つとして、注目が集まっている。既に試作装置で検証を進めており、2021年の実用化を目指す。

 

 澁谷工業が開発するのは、がんを攻撃する免疫細胞「PRIME CAR-T細胞」を大量に自動製造する装置となる。

 

 「PRIME CAR-T細胞」は、血液がんに効果のある免疫細胞を基に、がんへの攻撃力を高めるタンパク質を発現する遺伝子を組み込んで作製される。山口大大学院医学系研究科の玉田耕治教授が開発した。

 

 これまでは、人の手で作製してきたが、相当な時間と手間が必要だった。新たな装置で工程を自動化することで、時間と手間を大幅に減らし、コストや品質の管理にも役立つという。

 

 再生医療分野で実績がある澁谷工業と、玉田教授らが設立したバイオベンチャー「ノイルイミューン・バイオテック」(東京)が共同でシステム開発を行う。

 

 今後、「PRIME CAR-T細胞」以外の免疫細胞の培養にも対応できるように改良し、国内外へ展開することを計画している。澁谷工業は金沢市の「シブヤ細胞培養加工センター」の増設を行い、事業化に向けた準備を整える。

 

 6日、金沢市内で澁谷弘利社長や玉田教授らが会見し、装置の意義や今後の見通しについて説明した。

 

 玉田教授は「システムの開発で相当の効率化が図れる」と力を込め、澁谷社長は「将来的に固形がんで亡くなる人がいなくなるのではないかと期待している。大きな社会貢献につながると思う」と語った。