新素材のアウトドアジャケットを披露するゴールドウインの渡辺副社長(左)=都内

世界初、人工タンパク質素材で衣料 ゴールドウイン、慶大発ベンチャーと開発

2019/08/30 01:30

 小矢部市に生産拠点を置くゴールドウイン(東京)とバイオベンチャーのスパイバー(山形県鶴岡市)は29日、クモの糸を参考にした人工のタンパク質素材を使った世界初のアウトドアジャケットを開発したと発表した。12月12日に50着限定で発売し、2021年度の量産化を目指す。石油製品に頼らない環境に優しい新素材として提案する。

 

 アウトドアジャケット「ムーン・パーカ」は、ゴールドウインのアウトドア関連ブランド「ザ・ノース・フェイス」から販売する。価格は15万円(税抜き)で、29日から予約の受け付けを始めた。

 

 スパイバーは強靱(きょうじん)で「最強の素材」との呼び声が高い人工のクモの糸を開発する慶大発のベンチャー企業。ゴールドウインとは15年から開発を始めた。

 

 当初はクモの糸を使った素材の商品化を目指していたが、糸が持つ高い収縮性で水にぬれると縮む課題があったため軌道修正。基礎研究から見直し、微生物の発酵で生成したタンパク質の素材を作った。防水や透湿性は従来品と同等で、今後は毛皮やフリースの開発にも取り組む。

 

 29日には都内で発表会が開かれ、ゴールドウインの渡辺貴生副社長は「苦悩の連続を乗り越えて発売できた。持続可能な社会の実現に貢献したい」と話した。スパイバーの関山和秀社長はタイで建設を進める生産拠点が21年に完成するとし「規模は飛躍的に拡大できる」との見通しを示した。