進むスマート工場化 製造作業の効率アップ

2019/03/14 02:01

 北陸のメーカーで工場にIoT(モノのインターネット)の設備を取り入れ、作業効率を高める動きが広がっている。中村留精密工業(白山市)はQRコードを活用して部品の位置情報を管理し、無駄な業務の削減や作業時間の短縮を図る。クラシエ製薬高岡工場(高岡市)は来年末までに約10億円を投じて最新設備を導入。各社は作業員の負担を減らしながら生産性を向上させる「スマート(賢い)工場」化を進めている。

 

 工作機械を手掛ける中村留精密工業は工場内のエリアごとに地番を振り分けてQRコードを配置。各作業員が持つタブレット端末で地番コードと部品コードを読み取ることで、部品の管理場所を共有している。

 

 同社は2017年から、組み立てを担う作業員がタブレット端末で進ちょく状況を入力し、業務の無駄や課題の洗い出しに取り組んできた。集めたデータを分析した結果、組み立てに必要な部品を探すのに、想定以上に時間がかかっていることが判明した。

 

 工場内は部品を移動させて使うことが多く、QRコードの配置により、全作業員が各部品の位置を素早く確認でき、作業時間の短縮につながっているという。中村匠吾専務は「収集したデータを活用して課題を解決する。将来的にこの仕組みを作業員の人事評価にも生かしたい」と話した。

 

 漢方薬を製造するクラシエ製薬高岡工場は、工程の自動化やIoTに対応する最新設備の導入を急ぐ。錠剤の自動検査機器が近く稼働し、来年は箱詰め作業を機械化する。

 

 自動検査機器は漢方薬の不良品を見つけて取り除く機能がある。錠剤に光を当てるなどして割れたり、溶けたりして出荷できないものを判別する。これまで従業員の目視で確認していたが、今後は機器の性能を確かめた上で従業員の点検を機器へ移行する考えだ。

 

 現在は従業員が手作業で行っている箱詰めも来年から機械化する方針だ。

 

 今年から、生産機械をインターネットでつなぐなどIoT化を加速している。ネットワークに接続した機械は、事務所などで現場の温度や速度などの設定を変更できるようになり、省人化につながる。2021年以降に更新する機械はネットワークに接続する仕様とし、工場の生産現場で働く従業員を減らす計画だ。

 

 高岡工場によると、漢方薬の市場拡大を受けて生産量が増えており、生産性を高め、従業員の残業や休日出勤の削減を目指す。奥山武士工場長は21年以降もスマート工場化を進めるとした上で「効率化によって生まれた時間を有効に使い、従業員同士が改善に向けた議論を深め、さらに良い製品を作っていきたい」と話した。