保証付き融資、ピーク比9割減 石川県内、落ち込み続く

2018/06/09 01:50

 石川県内の金融機関で、信用保証協会の保証付き融資の減少傾向が続いている。協会のまとめによると、2017年度の保証承諾額は220億円で、近年のピークだった08年度の1971億円から9割近く減ったことが分かった。景気回復などを背景に金融機関が自らリスクを取る「プロパー融資」を増やしている。低金利下で保証料に割高感が出ていることも一因となっている。

 

 17年度の保証承諾は金額ベースで08年度比88・8%減、件数は2632件で77・0%減といずれも大きく落ち込んでいる。

 

 県信用保証協会は「新幹線効果もあってか、北陸は良好な経営内容の企業が多い。貸し倒れリスクが小さい分、保証なしの融資がある程度増えるのは仕方ない部分もある」(担当者)と話す。内部留保が厚く、資金を自社で調達する企業も増えているという。

 

 協会によると、保証承諾の減少傾向が本格化してきたのは13年ごろ。日銀が「異次元緩和」を始めた年だ。金利の低下で相対的に保証料が割高にみられるようになり、16年のマイナス金利政策の導入が、こうした傾向に拍車を掛けた。

 

 特に地銀の保証付き融資離れは顕著で、08年度と17年度の保証承諾額を比べると、北國銀行が787億円から38億円(95%減)、北陸銀行が587億円から59億円(89%減)といずれも大幅に減少した。

 

 北國銀行は「金融庁が推進する、担保や保証に頼らない融資を積極的に進めてきた結果」(広報CSR課)、北陸銀行は「保証料の割高感が一番の原因だろう」(広報CSR室)とした。

 

 金融機関別の保証付き融資額のシェアも大きく変わった。08年度は北國銀と北陸銀だけで全体の約70%を占めていたが、17年度は両行を含む北陸の地銀6行で計48・8%となり、信用金庫の計48・4%とほぼ同水準となった。

 

 信用金庫の保証承諾の減少は地銀より緩やかで、北陸、興能の2信用金庫は17年度の金額が前年度より増加した。

 

 増加率が大きかった北陸信用金庫の幹部は「信金の取引先は規模が小さく、信用力が十分でない場合もある。信用力補完のため、保証付き融資を活用する場面は地銀に比べて多い」と話した。

 

 県信用保証協会は「経営が苦しい中小零細に資金を行き渡らせるためにも保証付き融資は必要。金融機関と連携を密にし、企業の資金調達枠拡大を後押ししていきたい」とした。現在は経営、創業支援にも力を入れており、資金需要につなげたい考えだ。