近江町市場で幕末に使われていた鑑札=大樋町

幕末の鑑札見つかった 近江町市場 加賀藩が発行

2020/12/02 01:30

 来年開場300年を迎える金沢市の近江町市場で、幕末の1864(元治元)年に発行された市場内での商売を許可する鑑札(かんさつ)が1日までに見つかった。先祖が魚商「住吉屋」を営んでいた大樋町の魚住昭文さん(66)が自宅で保管していた。鑑札には当時、市場を束ねていた棟取(とうどり)の焼き印の跡が残っており、「近江町市場300年史編さん委員会」は藩政期の市場を知る手掛かりになる史料としている。

 

 300年史編さん委員会によると、鑑札は加賀藩から許可を受けた市場の世話役が発行し、身元がはっきりした業者のみに与えられ、商売ができたとされる。鑑札の上部に直径約1センチの穴が空いていて、ひもを通して体に身に着けていたとみられる。

 

 保管されていた鑑札は木製で、縦13・5センチ、横9センチ、厚さ1・2センチ。表には当時の日付と店主の名前、営業許可の文言、裏には世話役3人の署名が記されていた。

 

 明治時代になり、市場での商売が自由化になると、鑑札は一時廃止され、ほとんどは処分されたとみられる。今から50年前に発行された市場250年史には藩政期に鑑札が使われたことが書かれているが、実物は確認できていなかった。魚住さんの鑑札は現在確認できる中で最も古いという。

 

 近江町市場300年史編さん委員会で、近世史を担当する市立玉川図書館近世史料館の元館長宇佐美孝さん(71)は「江戸時代の市場の様子がうかがえる史料で、これからの研究に役立てたい」と話した。

 

 今年11月には、終戦後の近江町市場で闇取引をなくすため、正規の店に与えられた鑑札が市内で見つかっている。