巨樹のデータベース化について話し合う会員=金沢市内

古木の息吹データベース化 石川県巨樹の会、22年度完成目指す

2020/11/17 01:45

 石川県巨樹の会は16日までに、県内に生育する古木の息吹を後世に伝えるため、これまでに調査を進めた巨樹のデータベース化に乗り出した。2007年に発刊したリスト集を基に最新情報を集め直し、22年度内の完成を目指す。会員が減少、高齢化する中、オンラインで気軽に検索できるツールを生かすことで、多くの県民らに巨樹への関心を寄せてもらい、保全につなげたい考えだ。

 

 同会は石川の豊かな緑を支える貴重な巨樹・老樹の保存、環境整備、魅力の発信などを目的に、全国に先駆けて1989(平成元)年に発足した。昨年度末時点の会員数は159人で、巨樹や巨木林の現状把握をはじめ、天然記念物の保護対策に関する自治体への提言、巨樹を巡るイベントの開催などを行っている。

 

 07年に創立20周年記念事業として、会員の調査票を取りまとめた「石川の巨樹・巨木林」を発刊した。

 

 当時の総本数は2356本だったが、10年以上経過する間に新たに見つかったり、枯死したりした樹木もあるため、情報を更新する必要があった。従来は紙ベースで情報を記録していたが、デジタル化が進む今、時代の変化に合わせてデータベース化に取り組もうと、昨年、データ管理部会を新設した。

 

 県巨樹の会によると、巨樹は地上から1・3メートルの高さの幹周が3メートル以上と定義される。ただ、樹齢を重ねてもその太さにならない種類は例外で、ネムノキは1メートル以上、ゴヨウマツは2メートル以上などとなっている。巨樹が群生していたり、広範囲に生えていたりした場合は「巨木林」と呼ぶ。

 

 データベースは同会のホームページ内に設け、誰でも無料で見ることができるようにする。検索時は市町や樹種、天然記念物指定の有無などの項目別に情報を絞り込めるようにし、生育の推移を見守っていくため個体識別番号や衛星利用測位システム(GPS)を用いた緯度経度も新たに項目に加える計画だ。

 

 調査を担う会員は98年ごろにピークの約370人を数えたが、年々減少している。上田哲男部会長(72)は「亡くなった先輩や現在の会員が一生懸命残してくれた記録をより使いやすい形に変えたい。若い仲間が増えることで新発見もあるかもしれない」と話した。