AEDの搭載に向け、意見を出し合う関係者=輪島商工会議所

AED、街中循環 北陸大、輪島市、会議所連携 バス、電動カート搭載へ研究

2020/08/19 01:09

 北陸大は輪島市、輪島商工会議所と連携し、市街地を循環する交通機関への自動体外式除細動器(AED)の搭載に向けて調査研究に乗りだした。「動くAED」として乗客だけでなく路上の急病人にも活用し、救命率向上につなげる狙い。市のコミュニティーバスと会議所が無料運行する電動カートで実証実験を行う計画で、「輪島モデル」の救命体制の構築を目指す。

 

 AEDは心停止状態の人に電気ショックを与えて救命する医療機器で、主に公共施設に置いてある。市内には市設置分の78台があるが、近くにAEDがない家や路上で急病人が出た場合、バスや電動カートを見つけて呼び止め、できるだけ早くAEDを活用することで、救命率が高まる効果が期待できるという。

 

 研究は今年から3年計画で、北陸大医療保健学部の髙橋純子准教授のゼミで臨床工学技士を志す4年生が取り組む。同大は市と包括連携協定を結ぶ。

 

 初年度は主に高齢者や子育て世代を対象にアンケートを行い、AEDに関する知識や使用経験、一次救命処置講習会への参加の有無などを尋ねる。

 

 2年目は、100円均一で市街地を循環するコミュニティーバス「のらんけバス」と、無料の電動カート「WA-MO」(ワーモ)」にAED計5台を搭載して運行する。学生が市民向けに一次救命処置の講習も開く。3年目にはその効果や課題を検証する。

 

 11、12日に北陸大の三上遼さん(23)と山本幹太さん(21)、堂前翔太さん(21)が市内の高齢者施設や児童センターを訪れ、利用者らから話を聞いた。中には、AED自体を知らない高齢者もいたという。今後は市の協力で用紙を配布し、意見をまとめる。

 

 いざという時の備えが街中を駆け巡っていることで、救命に対する市民の意識の高まりも期待できる。髙橋准教授は「輪島モデルが、高齢化や過疎化で悩む地域に波及し、人を助ける大きな手段となればいい」と話した。