おみつ地蔵に手を合わせる参列者=宝達志水町所司原

おみつ物語、後世に伝え 宝達志水、悲恋の女性供養

2020/08/10 01:47

 宝達志水町所司原(しょしはら)で9日、住民有志による「おみつ地蔵祭り」が営まれ、悲恋物語として伝わる女性「おみつ」を供養した。「子浦(しお)みっさ音頭」を継承する同町子浦の「子浦区みっさ保存会」が今年初めて法要に加わり、後世に物語を伝える気概を新たにした。

 

 町の民話「おみつ物語」では、おみつさんは海辺の今浜に住む美しい女性で、偶然知り合った臼ケ峰のお坊さんを慕い、毎日山道を通った。しかし身分違いの恋は実らず、後に優しい住民が「おみつ地蔵」と「お坊さん地蔵」を、谷を隔てて1キロ以上離れた山腹に向かい合うように建てた。

 

 二つの地蔵の周辺住民は毎年、別々に法要を続けてきた。その話を聞いたみっさ保存会の関係者が、地蔵祭りへの参列を申し出た。

 

 9日は所司原の10人と子浦の10人が集まって手を合わせた。おみつ地蔵保存会は今年、「おみつ地蔵」と記した木製看板を30年ぶりに新調した。桂吉一会長は「お参りする人が年々減っていた。おみつ地蔵を知る人が増えるのは有り難い」と語った。みっさ保存会の土肥佑治会長は、今後も地蔵の法要に参列するとして「若い人におみつ物語が語り継がれるようにしたい」と誓った。