切り欠け部の防水戸を確認する長田会長=東山1丁目

水害頻発、危機感新た 金沢、浅野川水害から12年

2020/07/29 01:42

 2008年7月の浅野川水害から、28日で12年となった。最大雨量を「千年に1度」のレベルに引き上げて昨年度までに策定された新たな「洪水ハザードマップ」では、被害を受けたほぼ全域が浸水区域と重なった。九州豪雨など全国的にかつてない水害が頻発する中、命をどう守り、教訓をいかに伝えるか。浅野川とともに暮らす住民は模索を続けている。

 

 「あの時は200年に一度と言われたが、最近の水害の多さを見るといつ起きてもおかしくない」

 

 浸水被害拡大の一因となったとされる堤防の切れ目「切り欠け部」に近い観一町会(観音町1丁目)の長田淳会長(49)は危機感を募らせた。

 

 町会では、九州豪雨を受け、切り欠け部を締め切る防水戸の鍵を、町会の住民も保管できるよう県県央土木総合事務所と交渉を始めた。鍵はほかの町会の5軒も持つが、長田会長は「自営業者の多いうちの町会なら、より迅速に動くことができる」としている。

 

 対岸の町会組織である並木民主会(並木町)では、戸建ての住民に、氾濫時には町内に8棟あるマンションの上層階に避難するよう呼び掛けを続ける。新入居者には、閉じ込め対策として笛やバールを用意するよう念押ししている。

 

 御歩町金歩会(おかちまちきんぽかい)(東山1丁目)の井奈(いな)孝史会長(72)は住民の高齢化が進んでいることを懸念し「各自が常に水害の可能性を頭に置き、考える。それが一番の対策になるのではないか」と述べた。

 

 市教委は7月28日を「金沢『絆』の日」とし、馬場小や小将町中の生徒が草むしりやゴミ拾いなどのボランティア活動を行ってきたが、今年は新型コロナウイルスの影響で行事は中止となった。

 

 市は8月下旬から、洪水ハザードマップについての町会別の説明会を開催する方針である。住民にマップの内容や使い方を理解してもらい、災害時の安全な避難に役立てる。