避難先患者に迅速支援を 北陸大、情報共有アプリ開発

2020/07/29 01:42

 在宅医療を受ける患者が、災害時の避難先でも適切な医療行為を受けられるよう、必要な情報をまとめて示すことができるスマートフォンアプリが28日までに完成した。北陸大の髙橋純子准教授(保健学)らが全国の保健所や医療機関に行った調査をもとに、速やかな支援行為につなげられるようにした。大雨による災害が相次ぐ中「ためらわず避難をするために利用してほしい」としている。

 

 開発された「災害時緊急医療アプリケーション」には、患者の名前や身体の基本的な情報はもちろん、病名や装着している医療器具、加入している保険区分などが記録できる。

 

 ほかにも排便や食事などの日常動作がどの程度できるかや、人工呼吸器など、使っている医療機器の設定状況まで、細かく入力ができ、更新もできる。

 

 在宅医療を受ける患者が避難生活を送る場合、治療に携わる施設の外で円滑に情報共有することは困難となっている。特に人工呼吸器を装着している患者など、生命維持に一刻一秒を争う場合もあり、細かい医療機器の設定などを患者や家族がスムーズに伝えられない場合も多いという。

 

 各自治体や保健所が発行し、患者や介護者が記入する対応マニュアルや支援手帳はあるものの、手帳自体を避難時に忘れたり、記載内容の更新が滞っていたりするなどの課題もあった。

 

 髙橋准教授は、臨床工学技士で長年災害医療に携わってきた井上勝哉さん(京都)の協力を得て、避難先で必要な情報を保健所や医療機関など360カ所の災害対応マニュアルをもとに調査し、アプリに反映させた。

 

 アプリは髙橋准教授がソフトウエア開発のアイパブリッシング(金沢市)と共同開発し、6月から運用を始めた。情報のバックアップ機能なども今後、搭載していく予定という。髙橋准教授は「アプリを生かし、避難先で必要な人に支援の手が届けばうれしい」と話した。