「ヨゲンノトリ」初出は安政4年? 幕末に白山飛来 国立公文書館が文献所蔵

2020/07/28 01:22

 幕末の白山に現れ、疫病の流行を予言したとされる双頭の鳥について、国立公文書館(東京)が所蔵する1857(安政4)年ごろの文献があることが分かった。新型コロナウイルスの流行を受けて「ヨゲンノトリ」と名付けた山梨県立博物館の所蔵史料よりも半年以上古いとみられる。不思議な鳥を生かし、白山比咩神社は無病息災祈願として、絵入りのカードの配布を始めている。

 

 「ヨゲンノトリ」は、山梨県立博物館が所蔵する村役人の日記「暴瀉病流(ぼうしゃびょうりゅう)行(こう)日記(にっき)」に安政5年8月ごろ、絵入りで記された。双頭の鳥が加賀国白山に現れ「世の中の人が9割方死ぬという難が起こる」と予言し、自らの姿が厄よけになると話したとされる。

 

 新型コロナウイルスの感染拡大を受け、同館職員が「ヨゲンノトリ」と名付けて4月上旬、会員制交流サイト(SNS)に投稿して人々に知られるようになり、同館へ利用申請が相次いでいる。

 

 国立公文書館が所蔵するのは、剣術師範を務める藤川整斎という人物が江戸市中の風物や風説について記した「安政雑記」。二つの白い頭を持つ鳥が描かれ、鳥が疫病の流行と、自分の姿が厄よけになることを話したと書かれている。

 

 2009年にまとまった白山市教委の調査で、「安政雑記」を確認した県立図書館史料編さん室の石田文一主幹によると、前後の日付から記事が書かれたのは1857(安政4)年6月ごろと推察されるという。

 

 石田主幹は体の一部が白くなる鳥として描写されていることから、双頭の鳥はライチョウではないかとし「遠目で見た絵師が2羽の鳥の姿を写生したとしても不思議ではない」と話した。

 

 白山に降り立った双頭の鳥を描いたカードを参詣者に配布している白山比咩神社の担当者は「今回の史料も合わせ、地元石川でもより身近に感じてもらいたい」と話した。