勧進帳のダイジェスト映像を楽しむ来館者=小松市安宅町の勧進帳ものがたり館

若者誘客へ体験充実 小松の勧進帳ものがたり館、新装開館

2020/07/27 01:08

 歌舞伎「勧進帳」の舞台である小松市安宅町で26日、市の「勧進帳ものがたり館」がリニューアルオープンした。画面上で自分の顔に隈(くま)取りを施すことができるAR(拡張現実)機器を導入するなど体験企画を充実させ、歌舞伎になじみが薄い若者や外国人客の誘致に力を入れる。今後は2023年春の北陸新幹線県内全線開業に向けて屋外施設の再整備にも着手し、安宅への誘客拠点とする。

 

 安宅の関跡近くにあるものがたり館は広さ約200平方メートルの平屋建て。市が昨年11月、事業費1億3800万円をかけて改修工事を始めた。展示内容は古典芸能解説者の葛西聖司さんが監修した。

 

 館内は四つのエリアに分けられ、シアタールームは歌舞伎の舞台をイメージした。2011年に十二代市川團十郎さんが弁慶、市川海老蔵さんが富樫を演じた勧進帳を大型モニターに流し、物語のあらすじを解説する。

 

 体験エリアでは、カメラの前に立つと画面上で隈取りが施されたり歌舞伎衣装を着たりと、ARによる役者体験ができる。展示スペースでは、勧進帳の歴史や小松市の子供歌舞伎を紹介、衣装展示も行う。自分が勧進帳のどの登場人物に当てはまるかを占う性格診断やクイズのコーナーも設けた。

 

 施設は18年に改修した「安宅テラス」と渡り廊下でつなぎ、テラスとものがたり館の総称を「『安宅の関』こまつ勧進帳の里」として一体的に再整備した。長さ25メートルの渡り廊下には、地元の「安宅まつり」の曳船(ひきふね)神事で実際に使用された同13メートルの木造船を展示した。

 

 26日、施設内を解説した葛西さんは展示替えを随時行うとし、「リピーターが増える内容にしたい。まずは地元の人が訪れ、みんながPR大使になれるよう理解を深めてほしい」と話した。和田慎司市長があいさつした。

 

 ものがたり館の営業は通常、午前9時~午後5時だが、新型コロナウイルス感染防止のため当面、午後4時に閉館する。水曜定休。入館料は大人300円、高校生以下150円となる。

 

 市はさらに、今年度から3カ年で関所跡がある安宅公園を再整備し、屋外デッキや広場、休憩施設などを作る計画としている。