奥能登2市2町の感染対策に取り組む佐藤危機管理官

感染防ぐ自衛隊の知恵 奥能登広域圏組合の佐藤さん

2020/05/21 01:48

 新型コロナウイルスの新規感染者ゼロが続く奥能登2市2町で、奥能登広域圏事務組合危機管理官の佐藤令さん(55)が、感染防止対策の後方支援に奔走している。出身の航空自衛隊で培った経験を生かし、各市町に施設の管理方法や職員の働き方などウイルスのまん延を防ぐ対策を助言。未知のウイルスとの闘いで存在感を発揮している。

 

 元航空自衛隊第23警戒群司令兼輪島分屯基地司令の佐藤さんは昨年10月に空自を退官し、事務組合で全国初の危機管理官に就いた。

 

 佐藤さんは政府が新型インフルエンザなどの感染対策の検討を始めた当時、防衛省航空幕僚監部(空幕)の運用支援課に在籍。防災担当として業務継続計画(BCP)の作成に携わった。その経験を生かし、新型コロナ発生後は2市2町の感染対策の指導などに当たっている。

 

 感染拡大が本格化する前から、消防本部と能登北部保健福祉センターとの連絡役となり、各市町が進める取り組みに助言したり、専門家から得た感染対策を伝えたりして情報共有を図った。

 

 月に数回、2市2町をこまめに回り、それぞれの危機管理の担当職員らと意見交換。市や町で陽性患者が確認された場合でも職員の間に感染が広がらないようシフト勤務や隔日勤務などの導入を勧めた。市町からは「経験値が全然違う。こちらが気付かない視点で、的確なアドバイスが受けられる」(輪島市)などと評価する声が上がる。

 

 「過去に例のない緊急事態には、今までの常識は通用しない」と佐藤さん。緊急事態宣言が解除されたとはいえ、まだ油断はできない。「コロナとの戦いは終わっていない。発生させないためには、手を抜かないことが大事だ」と警鐘を鳴らし、第2波への備えを説いている。