「悪疫退散」を願う花火の準備をする花火師=かほく市若緑

「悪疫退散」花火打ち上げ 宣言解除後、北陸火工など全国一斉

2020/05/21 01:48

 新型コロナウイルスの影響で全国各地の花火大会が中止となる中、北陸火工(かほく市)をはじめ各地の花火師が、「悪疫退散」の願いを乗せ、花火を打ち上げる取り組みに乗り出した。20日時点で全国約130社が参加し、各地で同時刻に、感染収束を祈る花火が一斉に夜空を彩る。同社専務の窪田悠樹子さん(44)は「空を見上げて、少しでも前向きになってもらいたい」と準備を進めている。

 

 北陸火工は北國花火金沢大会、北國大花火川北大会(いずれも北國新聞社主催)など夏から秋にかけての各会場で花火を担当している。毎年5、6月は、火薬を球状に成形した「星」や、特殊な玉の仕上げで追い込みの時期に当たる。

 

 花火大会の起源は、享保の大飢饉の慰霊と、疫病退散を願った隅田川の水神祭とされる。花火はにぎやかな祭りだけでなく、死者の追悼や復興を祈るものもあり、「多彩な思いを込めた花火で、元気や希望を届けたい」と参加を決めた。

 

 北陸火工では3号玉15発、4号玉10発を打ち上げる。医療従事者への励ましを込めた青色系の花火や、元気の象徴「ひまわり」の銘を持つ花火も用意。病魔退散の妖怪「アマビエ」の折り紙を貼り付けた。最後は、きらめく2号玉50連発で「心が洗われるような」2~3分の演出を予定しているという。

 

 打ち上げは緊急事態宣言解除後を予定しており、場所と日時は「密」を避けるため非公開とする。

 

 当日は動画を撮影も行い、全国各地の花火と共に、インターネット上で公開する。窪田さんは「打ち上げられなかった花火が報われる。音が聞こえたら、家から空を見上げ、笑顔になってほしい」と話した。