動画配信の手順を確認する高田のスタッフ=加賀市大聖寺永町

葬儀をライブ配信 加賀の企業 外出自粛中でも「最後のお別れ」

2020/05/20 01:32

 加賀市の葬儀会社「高田」は19日、新型コロナウイルス感染症の影響で葬儀に参列できない人向けに、動画をライブ配信するサービスを始めた。国の緊急事態宣言で外出自粛が続く首都圏で暮らす市出身者から「大切な家族との別れに立ち会いたい」と相談されたのがきっかけ。自宅にいながら会葬者と一緒に故人の最後に寄り添ってもらう。今後、「終活セミナー」も配信する。

 

 オンライン葬儀は式場後方からビデオカメラで撮影し、動画投稿サイト「ユーチューブ」で中継する。喪主が許可した人にのみ、無料通信アプリLINE(ライン)上に開設した高田の公式アカウントから発行される専用のアドレスを送付。スマートフォンやタブレット端末などで映像を見てもらう仕組み。葬儀の無料オプションとし、申込時に利用するかどうかを確認する。

 

 式の終了後であっても一定期間内なら動画を閲覧できるようにすることも検討する。葬儀だけでなく、会員限定の終活セミナーや人形供養祭も動画配信し、多様なニーズに応える。

 

 同社によると、感染拡大を受けて、参列者の人数を制限した家族葬が急増している。葬儀全体に占める比率は3月以前の45%から、コロナが徐々に広まった4月以降には98%まで高まった。

 

 遺族の中には式の様子をスマホで撮影して首都圏の身内にデータを送る人がいたほか、外出自粛で祖父の葬式に参列できない神奈川県在住の男性からは「何とか最後のお別れをしたい」とも懇願された。地元には病気やけがで会場に足を運べない高齢者らもおり、オンライン葬儀を模索する契機となった。

 

 高田樹生社長は「『3密』回避など新しい生活様式の実践が求められる中でも、お別れの場を形にするのが使命。心のこもった温かいお葬式を提供したい」と話した。