アマヤギ堂ジュンさんが描いたアマビエ=香林坊2丁目

話題のアマビエ 「自宅で楽しむツールに」 金沢の女性絵師、4年前から描く

2020/04/10 01:51

 新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、疫病退散に御利益があると江戸時代に信じられた妖怪「アマビエ」が、ツイッターなどSNS上で人気を集めている。市内在住の女性絵師、アマヤギ堂ジュンさん(47)は、このアマビエを4年前から描いてきた。「アマビエは願掛けのような存在。暗いムードが続くが、自宅で楽しめるツールになればありがたい」と、描いた妖怪にコロナ感染の終息を願う。

 

 くちばしに長髪、魚のうろこのような胴体に、3本足。異形の妖怪アマビエは、江戸時代末期の1846(弘化3)年4月中旬、肥後国(現・熊本県)の瓦版に掲載された。

 

 この瓦版を所蔵する京大附属図書館によると、アマビエは海の中から出現して、6年の豊作と流行病の発生を予言した。病が流行した時には「自分の姿を描いて人に見せよ」と残して姿を消したという。

 

 20年以上、妖怪を題材に各種書籍の挿絵やゲームイラストを手掛ける「奇々怪々書画制作所アマヤギ堂」(香林坊2丁目)を営むジュンさんは2016年、妖怪図鑑を刊行した時に、伝承の中のアマビエを初めて描き、翌17年には市販のカードゲームで使用するイラストにもアマビエを採用した。

 

 瓦版で知られるアマビエを、ジュンさんは自己流にアレンジした。体の色は「有益な妖怪」であるとして、魔除けの色彩とも言われる赤を主体にし「かわいげが出た」という。

 

 厚生労働省は、若者を対象としたウイルスの感染拡大防止の啓発アイコンに、アマビエを採用し、今では「政府公認の妖怪」となっている。水木プロダクションは、今は亡き水木しげるさんが描いたアマビエの原画をSNS上に投稿するなど、拡散が続いている。

 

 ジュンさんは時ならぬブームについて、「自粛ムードが世の中に広がっているので、目にした人は自宅でぜひ、自己流のアマビエを描いてみてほしい」と語った。