ビオトープの整備を進める住民有志=上辰巳町

三段石垣前にビオトープ 国史跡・辰巳用水で住民有志

2020/04/01 01:35

 金沢市辰巳町の住民有志らは31日、上辰巳町にある国史跡・辰巳用水の「三段石垣」前の休耕田を活用しビオトープの整備を始めた。「辰巳用水三段石垣自然園」の名称で、三つのため池を設けるほか、水田としての再整備も進める。今後は維持・管理を担うボランティアも募集し、子どもたちの学びの場として活用する。

 

 住民によると、三段石垣周辺は、セリやクレソンなどの植物が自生するほか、水辺にはニホンアカガエルやシオヤトンボ、ヒメゲンゴロウなど昆虫が生息しているという。

 

 住民有志は約10年前から石垣や周辺のあぜ、休耕田に生い茂った雑木刈りに取り組んできた。

 

 自然園の整備によって、三段石垣の景観を生かし、石垣から湧き出た水辺をすみかとする生物や植物の生息環境を守る。

 

 31日は地区で野菜を栽培する団体「辰巳農園」のメンバーらがため池の掘削作業に汗を流した。県立自然史資料館の中村浩二館長、里山自然学校こまつ滝ケ原の川畠平一学校長が協力した。

 

 自然園の整備は、5月2日に開くオープンミュージアム「ビオトープづくりと観察会」までの完成を目指す。6月には地元の園児を招いて田植えをする予定という。

 

 持続可能な活動のためには、住民の高齢化と人手不足の解消が課題となるため「辰巳ビオトープワーキンググループ」を発足させ、担い手となるボランティアを市内外から募る。

 

 辰巳農園に勤める佐野直茂さん(77)は「若い力で豊かな自然を守り継いでいってほしい」と話した。