金大とスギ薬局、共同研究講座 「健康で幸せ」追究

2020/04/01 01:35

 金大とスギ薬局(愛知県大府市)は1日、「社会薬物学共同研究講座」を開設する。北陸の医療を支える大学の「知」と大手ドラッグストアの店舗網を生かして、地域住民の「ウェルネス(健康で幸せ)」の実現を目指す。医療、薬学、介護、看護の垣根を越え、AI(人工知能)も活用し高齢化社会における新たな健康の在り方を追究する。金大によると、同名の講座は国内で初めてとなる。

 

 講座は金大大学院医薬保健学総合研究科内に設置し、金子周一教授が責任者を務める。目標に掲げるのは「健康処方の研究」。高齢化や介護人口の増加が進む現代で、「健康で幸せ」な状態とはどんな状態かあらためて定義し、増進の手法を研究する。

 

 具体的には、スギ薬局への来店者に健康状態や意識を尋ねるアンケートを実施。身体的機能、日常生活の状態、社会参加、生活の質、生きがい、メンタル面の全6項目を点数化し、健康で幸せな度合いの指標とする。

 

 集めたデータは、安心、安全でより効果的な薬物治療に役立てる。スギ薬局の店舗は地域の「かかりつけ薬局」として、薬の処方にとどまらず、健康で幸せな状態の向上に向けて住民をサポートする。

 

 全国に約1300店を持つスギ薬局は、石川、富山両県で出店を加速しており、3月末現在で石川6店、富山2店を展開。2024年度までに北陸三県で100店を出店する計画を掲げる。

 

 同社が大学と大規模な連携を組むのは初めて。杉浦克典社長は「地域の健康を支える拠点としてのドラッグストアの在り方を変えていきたい。健康維持、予防、未病といったさまざまな局面で地域に貢献したい」と意気込みを述べた。

 

 金子教授は大学と病院、ドラッグストア、介護施設、看護、在宅事業者など地域のさまざまな拠点がネットワークを構築していくことが重要だと強調し、「AIやIoT(モノのインターネット)を駆使しながら地域住民の健康と幸せの向上を追究したい」と話した。