寸劇を披露する防災士=金沢歌劇座
金沢市内の防災士が、自然災害時の対応をまとめた「ショートコント」を地域の会合などで披露している。20日は金沢歌劇座で3人が新竪地区の民生委員らに向け、台風が迫る中、住民同士が助け合って避難する筋書きをコミカルに演じた。オリジナルの寸劇は講演会形式よりも親しみやすいと好評で、今後も防災士が出張して必要な知識を広める。
ショートコントは、市危機管理課が防災知識を分かりやすく市民に学んでもらおうと考案した。市内の防災士に協力を呼び掛け、昨年春から防災講座の依頼があった地区で実施している。出演する防災士は固定せず、メンバーが上演する地区の地形や特性に沿ってシナリオを練っている。
20日に金沢歌劇座で開かれた新竪地区民生委員らの研修会には、女性防災士3人が登場。金沢弁を交え、近所に住む一人暮らしの80歳女性に避難を促す劇を繰り広げた。
女性はひざが悪く、心臓の持病を抱えているとの設定で、避難をためらう女性に防災士が犀川流域のハザードマップを見せて危険性を伝えたり、避難用バッグに処方箋や薬の服用履歴を記した「おくすり手帳」を入れるよう助言したりした。
高齢女性がバッグにお気に入りの歌手の応援グッズを入れて笑いを誘う一幕も。「避難所のトイレが不安」とこぼす高齢女性に、防災士が「我慢せず、気軽に手伝いを求めて」と優しく話し掛けた。フィナーレでは「普段から近所に目配せし、災害時は協力し合って」と観客に呼び掛けた。
寸劇を見た民生委員の中田礼子さん(67)=菊川2丁目=は「金沢弁で面白い。災害に備えて何をすればいいか分からなかったので参考になる」と話した。
劇のナレーターを務めた小坂校下の防災士、横浜恵さん(46)は「実体験を元に皆さんが想像しやすい内容を心掛けたい」と意気込んだ。
寸劇を提案した市危機管理課の藤谷敏之課長補佐は「コントを通して一つでも知識を覚えてもらい、実践してほしい」と期待を込めた。