マオウを収穫する研究グループのメンバー=19年10月、志賀町給分

葛根湯原料出荷にめど 富来で量産成功、100キロ見通し

2020/01/04 00:54

 志賀町富来地域で栽培されている漢方薬「葛根湯(かっこんとう)」の原料となる植物「マオウ」が3日までに、本格的に出荷できるめどが立った。金大と東京農大の研究グループが同所で量産化を進め、今季は乾燥させた株約100キロが国の医薬品の規格基準を満たす見通しとなった。グループは今後、第1、2に続く第3ほ場を同所に構え、志賀で生薬の生産体制の確立を目指す。

 

 国内に流通するマオウを刻んだ生薬「麻黄(まおう)」は、中国からの輸入に頼っているのが現状で、金大の御影雅幸名誉教授(東京農大教授)、佐々木陽平准教授、安藤広和助教らのグループが2015年、志賀町でマオウの国内栽培に初めて成功した。日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受け、16年度から量産化に取り組む。

 

 研究グループは、志賀町給分(きゅうぶん)の農事組合法人「ファーム給分」の協力を得て、かつて葉タバコを生産していた農地でマオウを栽培。無農薬で、肥料や水分の量などを調整しながら試行錯誤を重ね、優良な株を選別している。

 

 研究グループによると、今季は第1、2ほ場の計3・3ヘクタールで約2千株を収穫し、乾燥させた株を約400キロ確保した。麻黄は国の基準により、窒素を含む塩基性物質「アルカロイド」の含有量が0・7%以上でないと生薬として認められないが、約400キロのうち約100キロがこの基準を上回る見込みだという。今後、国内の薬局などに出荷する。

 

 19年夏からは志賀町中浜の農家の協力を得て、ビニールハウスでマオウの種から苗作りを開始した。20年3月ごろには給分周辺に広さ約2ヘクタールの第3ほ場を整備し、栽培面積を計5・3ヘクタールに拡大させ、この苗を植える。

 

 中国産は種をまいて5~6年で国の基準を上回るのに対し、志賀では3年で基準を満たすまで成長しているという。御影教授は「志賀にマオウの加工施設を整備し、高品質な国産品を流通させたい」と話した。