カレーライスを受け取る来店客=駅西新町3丁目

「三休庵」35年お疲れさま 金沢カレーと一線画し 設備老朽化、30日閉店

2019/11/29 02:12

 駅西新町3丁目、国道8号沿いのカレー店「三休庵駅西店」は30日、創業35年の歴史に幕を下ろす。名物の「金沢カレー」とは一線を画し、市民の胃袋をつかんできたが、店の老朽化という波が押し寄せた。県内に最大5店舗あったフランチャイズチェーンは全て消え、最後に思い出の味を食べようと、訪れる客は後を絶たず、最大1時間待ちの行列ができた。

 

 1984年創業の三休庵は、店のパートから2代目店主となった新田ひろみさん(59)=神谷内町=が、夫の隆昭さん(67)とともに営業している。

 

 数十種類の香辛料にニンジンやタマネギを溶け込ませた秘伝のルーは、甘口、中甘、中辛、辛口の4種類がある。3日間冷暗所で寝かせ、素材の甘みとコクがライスに絡む。エビやホタテなどのシーフードは新鮮さにこだわり、直接、卸売市場から仕入れている。カツカレーが定番の人気だ。

 

 三休庵は、しじま台が創業の地で、駅西店は2番目の店舗となる。三休庵グループは、それぞれの店は独立しているが、同じルーを使う。最盛期には市内と内灘町に5店舗があったが、10年前に駅西店を除き全て閉店した。全国的に知名度を上げる金沢カレーにも屈さず、富山や福井など県外からのファンも多い。

 

 閉店は、10月末に急きょ決まった。「いっぺんに厳しくなった」と新田さん。厨房(ちゅうぼう)に立ち続ける隆昭さんの体力問題もあるが、建物はもちろん、冷蔵庫や攪拌機(かくはんき)などの設備の老朽化も目立つようになった。閉店を知らせる貼り紙をした直後から、往年のファンが集まり、店内外に長蛇の列ができる時間帯もある。

 

 開店の1時間前から並んだ主婦の田中恵さん(44)=松村5丁目=は「20代の頃、デートで食べた青春の味。金沢のカレー店でも、ワンランク上だと思うので、なくなるのは寂しい」と惜しんだ。

 

 新田さんは「今は寂しさはないけど、これから込み上げてくるのかな。残り少ない営業でお客さんに恩返ししたい」と話した。