修復作業が進められる菊姫の肖像画=県文化財保存修復工房

菊姫の肖像画、130年ぶり装い新た 金沢・寺町の西方寺 23、24日公開

2019/11/20 01:15

 天台(てんだい)真(しん)盛宗西方寺(せいしゅうさいほうじ)(金沢市寺町5丁目)は、7歳で死去した加賀藩祖前田利家の六女・菊姫の肖像画を23、24日に特別公開する。傷みが目立っていたため現在、県文化財保存修復工房で130年ぶりとなる修復を行っている。西方寺や工房によると、童女を描いた肖像画は全国的にも珍しい。装いを新たにした菊姫の肖像画から、前田家の歴史や利家の親心を伝える。

 

 肖像画は縦56センチ、横32センチで、菊姫が亡くなった翌年の1585(天正13)年から、利家が建立した西方寺に伝わっている。菊姫の異母妹にあたる七女・千世姫(春香院)が寄進したとされる。

 

 作者は不詳で、上畳に座り右手に白菊の枝を持つ菊姫に加え、張り子の犬やこま、人形などのおもちゃが描かれていて、供養像として作られたとされている。

 

 1891(明治24)年以降は修復されていないとみられ、汚れが目立ち、中の軸も折れていた。県文化財保存修復工房は、大津市の天台真盛宗総本山西(さい)教(きょう)寺(じ)に伝わる、もう一つの菊姫の画像を参考にしながら補修している。公開までに完了させる。

 

 菊姫は利家と側室の隆(りゅう)興(こう)院(いん)との間に生まれた子で、1578(天正6)年に羽柴秀吉の養女となった後、その臣下に預けられ、現在の大津市で亡くなった。

 

 西方寺の田畑智海(ちかい)住職によると、菊姫が亡くなってから50年ほどは、前田家から西方寺へ弔意の米が大量に届いていたという。

 

 田畑住職は「利家の娘の中で、画像が現存するのは菊姫だけ。肖像画から、幼くして亡くなった娘への利家の愛情や人柄に触れてもらいたい」と話した。