金沢の建築文化で意見を交わす妹島さん(中央)と岡さん(右)=北國新聞赤羽ホール

建築はまちづくりの力 21世紀美術館設計の妹島さん、金沢で講演

2019/11/09 01:35

 市の金沢・建築文化会議は8日、北國新聞赤羽ホールで開かれ、約300人が、歴史的な町並みや近現代建築が重層的に存在する金沢のまちのあり方に理解を深めた。基調講演では世界的な建築家の妹島和世さんが、金沢21世紀美術館をはじめ、自らの手掛けた仕事をたどり、「建築はまちづくりの大きな力になる」と強調した。

 

 妹島さんは21世紀美術館の設計に携わった20年前から、金沢では旧町名復活や用水の開渠(かいきょ)、北陸新幹線の開業について話し合われていたと振り返り、「良い町は、幾つものレイヤー(層)が、積み重なりながらできていく。金沢に来る度に、それを実感している」と印象を語った。

 

 手掛ける建築は「公園のような場所」が理想であり、そう考える契機となったのが21世紀美術館の設計だったと説明。「住んでいる人が誇りを持ち、自らがまちをつくっていく一人だと思えるような場所を、建築でつくっていきたい」と話した。

 

 引き続きパネル討議が開かれ、妹島さんと広坂振興会前理事長の岡能久さんが21世紀美術館を軸に、金沢の建築の歩みを振り返った。水野一郎金沢建築館長が調整役を務めた。

 

 会議は、8日に始まったアーキテクチャーウィーク(建築週間)の幕開けのイベントとして開かれた。

 

 市は9、10日、市内に点在する藩政期から現代までの建物をめぐる「建築クルーズ」を開く。国登録有形文化財の松風閣や旧三田商店、谷口吉郎(よしろう)氏設計の伝統産業工芸館、西町教育研修館のほか、西別院、聖霊病院聖堂など14カ所で見学や建築士による解説を行う。

 

 問い合わせは市企画調整課まで。