第九師団が「軍都」形成 金沢学講座

2019/10/13 02:04

 金大と北國新聞社が連携して取り組む市民公開講座「金沢学」は12日、北國新聞20階ホールで開かれた。講師を務めた金沢星稜大の本康宏史教授は、旧陸軍第九師団が金沢に置かれた1898(明治31)年以降、「軍都」としての都市形成が進んだ経緯に光を当て、「軍によって地域が支えられ、経済的に潤っていた」と指摘した。

 

 本康氏は日露戦争に向けた軍備拡張のため金沢に第九師団が配置された当時の社会情勢について解説。司令部が旧金沢城址に置かれたほか、石高1万石級の重臣が保有する広い敷地がそのまま軍用地に転用されたとし、「城下町の骨格を利用し、軍事都市が形成されていった」と述べた。

 

 さまざまな軍需産業が地域の経済発展に寄与したとし、軍用の雨がっぱや制服、地図などを扱った商店、兵隊や家族が利用した宿の名残をとどめる施設が今も尾張町界隈(かいわい)に数多く残っていると紹介した。

 

 軍縮により、金沢郊外の石川郡野村(現在の野田、平和町)に置かれた歩兵第35連隊や金沢城内に駐留する第7連隊が移転になった際には、「市民が猛烈な『戻ってこいキャンペーン』をした結果、元に戻った」とし、軍と住民が深い共生関係にあったことを強調した。