来年4月の開業に向け、準備を進める森田さん=七尾市中島町河内

「火様」の風習知って 七尾・中島の民家で継承 隣接納屋をカフェに改装

2019/09/18 02:00

 七尾市中島町河内の民家で300年以上燃え続けていたとされる囲炉裏(いろり)火「火様(ひさま)」の種火を預かる古民家の隣で、カフェが2020年4月に開業する。火様を管理する埼玉県所沢市の元医師、森田孝夫さん(70)が17日までに古民家に隣接する納屋を改装した。森田さんは来訪者にカフェで一休みして火様の存在を知ってもらいたいとして開業の準備を進めている。

 

 能登では、煮炊きや暖房などに使う囲炉裏火を「火様」として守り続ける風習があったが、生活様式の変化によってほとんど廃れ、同市中島町河内の中屋好子さん宅だけで守られてきた。17年7月に中屋さんが亡くなった後、中屋さんの家の隣の古民家で、森田さんが火様を受け継いだ。

 

 火様は古民家でランプにともされ、地元の協力団体「能登里山クラブ岩穴」によって管理されている。森田さんは埼玉の自宅から24時間撮影するウェブカメラで見守り、2週間に1回のペースで中島に通っている。森田さんが運営する古民家は民泊の許可を受け、5月に初の宿泊客を迎えた。

 

 周辺には休憩施設がなく、火様を見に来た人が気軽にくつろげる場所が必要と感じた森田さんはカフェの開設を思い立った。

 

 和風の古民家に対して、カフェは「レトロモダンとレガシー」をテーマに昭和をイメージした洋風の内装にした。火様を入れたランプを飾り、火様を来訪者に伝える。窓からは集落や畑を見下ろすことができる。営業日は週末や祝日などを予定している。

 

 森田さんは、「火様の継承には多くの人に知ってもらうことが必要だ。いろいろな切り口で火様を紹介し、継承の方法を探っていきたい」と話した。