トンコハウスのスタジオが開設される壽屋=金沢市尾張町2丁目

金澤町家にアニメスタジオ 壽屋を米「トンコハウス」が活用

2019/05/21 02:09

 昨年12月末で営業を停止した金沢市尾張町2丁目の料理屋「壽屋(ことぶきや)」に今夏、米アニメーションスタジオ「トンコハウス」の日本法人の拠点が開設される。ITクリエーターやエンジニアを誘致する同市の事業「金沢AIビレッジ」の採択第1号で、街の移り変わりを160年間見守ってきた金澤町家が、世界最先端のアートを提供する場に生まれ変わる。

 

 トンコハウスは、米映画会社「ピクサー」のアートディレクターとして活躍した堤大介氏とロバート・コンドウ氏によるスタジオ。初監督作品「ダム・キーパー」は世界で20以上の賞に輝き、2015年の米アカデミー賞短編アニメ部門にノミネートされた。

 

 東京に日本法人が構えたスタジオがあった。社員のペインター4人が「どこへ行っても絵を描きたくなる」と金沢の街並みを気に入り、拠点を移すことにした。

 

 金沢でITクリエーターとして活動し、日本法人の社員でもある宮田人司氏が役員を務めるミスルトウ(東京)と提携し、壽屋2階に新スタジオを開設する。「金沢AIビレッジ」の事業として1千万円の補助を受け、8月ごろのオープンを目指す。

 

 スタジオでは、午前7時から作品制作に取り組む自社の朝活動「トン活」を市民向けにも開催する。6月にはオープン記念として「ダム・キーパー」の描き下ろし絵本を市内全54小学校に1冊ずつ寄贈する。

 

 宮田氏が社長を務める「オープンソース」(同市昭和町)と壽屋は今月、建物の利活用策を模索していくことで合意した。スタジオ開設はその主要事業で、1階には朝食を提供する飲食店を設けるほか、作品展示も予定している。

 

 宮田社長は「最先端の創作活動と食を通じ、大人から子どもまで楽しめる空間にする。将来クリエーティブな仕事に就きたい人は遊びに来てほしい」と話した。