独居の高齢者宅から粗大ごみを運び出す町職員=川北町橘

独居高齢者の粗大ごみ搬出 川北町、無料サービス開始

2019/03/28 02:08

 川北町は27日、粗大ごみの搬出が難しい一人暮らしの高齢者世帯を対象に、ごみの収集と運搬を無料で行う独自の行政サービスを始めた。自治体職員自らが個人宅に足を運び、ごみの搬出を手掛けるのは県内市町では珍しい。県内19市町で高齢化率が2番目に低く、人口が最少の町ならではのきめ細かな取り組みで、お年寄りの安全安心や暮らしやすさを手助けする。

 

 対象は65歳以上の独居者で、近くに家族や親類がいないなど民生委員の見守りを受ける約40人。民生委員を通じて粗大ごみが処分できずにいるとの相談が寄せられたのがきっかけで、町が対象者に希望を聞いたところ、木呂場(ころば)区の2人が手を挙げた。

 

 27日は職員3人が2人の自宅を順に訪ねた。軽トラックを4往復させ、ベッド2台や衣装ケース3台をはじめ、洋服だんす、布団、ホットカーペットなど計約1トンのごみを運び出した。ごみは町粗大ごみ集積場にいったん運び、分別した上で白山市内の処理施設で処分する。

 

 利用を申請した北川淳子さん(89)は「近くに家族がおらず、使わなくなったベッドやソファなどの処分に困っていた。本当にありがたい」と喜んだ。

 

 昨年10月現在の高齢化率は県全体では29・2%だったのに対し、同町は22・2%で、県内では野々市市に次いで2番目に低かった。3月1日現在の人口が6255人と県内19市町では最少で、南加賀の自治体関係者は「小さな川北町でなければ難しいサービスかもしれない」と話す。

 

 町によると、核家族化で独居の高齢者は増加傾向にあり、現在は約70人。力仕事に加え、町内1カ所の集積場までの運搬が必要なため、今後も年数回、回収日を事前に定めた上で実施する。

 

 町の担当者は「できる範囲内で必要な支援を続け、お年寄りにやさしい町にしたい」と話した。