組合員が手掛けた輪島塗製品。今後は隈氏と協力し、国内外で通用する商品開発に取り組む=輪島市の輪島塗会館

輪島塗と隈研吾氏、新分野開拓に挑戦 「食卓を彩る物」企画 漆器商工業協組

2019/02/01 01:43

 輪島漆器商工業協同組合は、建築家の隈(くま)研吾氏と、「食卓を彩る物」をコンセプトに商品開発に取り組む。箸や重箱といった既存の使い方にとらわれない、新しい用途を考え、今秋をめどに意見集約する。新国立競技場や、富山市ガラス美術館が入居する「TOYAMAキラリ」の設計を手掛けた隈氏のアイデアと伝統の技で、低迷する業界の活性化を目指す。

 

 輪島塗販売業者らでつくる組合は昨年11月、隈氏に協力を要請し、了解を得た。12月には新製品開発事業委員会を新設し、組合員ら18人が参加して隈氏と検討を進める。

 

 隈氏は建築物に木製の羽(は)板(いた)を多用するのが特徴で、木の特性に精通している。東日本大震災の復興プロジェクトとして宮城県鳴子温泉の職人と協力した新たなこけし制作や、西日本豪雨で被災した企業の照明デザインに携わるなど、製品デザインでも実績がある。

 

 組合員の中には、伝統的な器や膳だけでなく、住環境の西洋化に合わせて輪島塗の技術を生かしたパネルや机などを開発したり、有名デザイナーの協力を得て製品開発を進めたりする業者も少なくない。

 

 ただ、輪島塗の生産額は1991年の約180億円をピークに減少傾向が続く。2017年は前年比3億円減の39億円で、昭和40年代前半の水準まで落ち込んだ。

 

 組合は隈氏との協力によって国内外で通用する新たな製品を考案、発信し、売り上げ回復の起爆剤にしたい考えだ。日南尚之理事長は「これまで輪島塗が使われてこなかった分野にも挑戦し、新たな道を進みたい」と期待を込めた。

 

 組合の輪島漆器業新春懇親会は30日夜、輪島市のホテル八汐で開かれ、約100人が業界の発展を願った。日南理事長があいさつし、坂口茂副市長、椿原正洋市議会議長、宮下正博県議が祝辞を述べた。輪島塗加飾(かしょく)見本展の表彰式も行われた。