金澤麻を使ったうちわの出来栄えを確かめる松村代表理事=白山市鶴来本町2丁目

麻栽培、白山麓に拡大 4月から金沢の振興協 面積5倍、産地再興に

2019/01/11 01:46

 かつて麻生産が盛んだった石川の産地再興を目指す「金澤麻(かなざわあさ)振興協会」(金沢市)は4月、白山市の白山麓地域で新たに麻の栽培を始める。これまで試験栽培していた津幡町の河北潟干拓地に加え、栽培面積を計約2500平方メートルと昨年の約5倍に拡大する。協会は麻を使った特製の和紙でうちわを試作するなど商品化に向けて準備を進めており、生産量を確保し「金澤麻」のブランド化を目指す。

 

 金澤麻振興協会は県内の大学の研究者や会社経営者、休耕地の所有者ら8人で構成し、昨年3月に設立した。協会によると、県内では平安時代から「苧麻(ちょま)」が広く栽培され、能登上布などが全国に出荷された。明治に入ると全国一の麻織物産地となったが、石油製品などに押され、栽培が途絶えた。

 

 協会は麻栽培を通じて農業振興や雇用創出につなげようと、昨年5月に河北潟干拓地の畑約500平方メートルで苧麻の苗約100株を試験的に植え付け、栽培してきた。同8月に皮を収穫して天日干しし、金沢市の希少伝統工芸品「二俣和紙」の職人の協力で、麻とコウゾ、ミツマタを混ぜ合わせた特製の「金澤麻和紙」に仕上げた。

 

 協会によると、麻を原材料に混ぜることで、丈夫で肌触りの良い和紙になるという。協会が金澤麻和紙を使った試作品のうちわは会員の間でも「上品で美しい」「日用品としても飾り物としても使える」と評判だったことから、会員が所有する白山麓の休耕地約2千平方メートルで新たに栽培することにした。

 

 金澤麻の栽培と商品開発の取り組みは昨年12月、県のいしかわ里山振興ファンド事業に採択された。今後は商品開発のほか、品種改良のための調査研究にも取り組む予定である。

 

 協会の松村邦寛代表理事(白山市鶴来本町2丁目)は「麻栽培という石川古来の文化を掘り起こし、本格生産につなげたい」と話した。