東京に出荷される予定のイノシシ肉を確認する杉本さん=高坂町

三谷のイノシシ肉、東京進出 金沢の工房、拡販期待 メキシコ料理店が採用

2019/01/11 01:46

 ジビエ工房三谷(金沢市高坂町)で加工されたイノシシ肉が今月、初めて東京に出荷される。工房と付き合いのある関係者が橋渡し役となり、メキシコ料理店での採用が決まった。工房メンバーは「東京の人に里山の味を楽しんでもらいたい」と出荷を心待ちにしており、課題となっている販路拡大にもつなげる。

 

 ジビエ工房三谷は2016年に発足し、山あいの三谷地区でイノシシの捕獲、加工、販売までを一手に担っている。これまで加工肉は市内のスーパーや飲食店などに卸してきた。

 

 昨年は過去最高となる420頭を捕獲した一方で、肉の流通経路の拡大はなかなか進んでいない。普及を後押ししようと昨年10月からは、移動販売車の活用を始めるなどしてジビエの魅力を伝えている。

 

 工房からイノシシ肉を仕入れるのは、世田谷区のメキシコ料理店「ロス・タコス・アスーレス」。今月24日の新年会で、豚肉の代わりにイノシシのバラ肉10キロを使い、蒸し焼き料理「カルニタス」として常連客に提供する。

 

 仲介役となったのは、小松市地域おこし協力隊で、南加賀ジビエコンソーシアムの福岡大平さん(27)だ。羽咋市の獣肉処理施設で勤務経験があり、工房メンバーにイノシシのさばき方を伝授した福岡さんの元に、知人で料理店オーナーシェフのマルコ・ガルシアさん(34)から「イノシシ肉を卸して欲しい」と連絡があり、工房を紹介した。

 

 工房は普段使わないイノシシの脂5キロも無償提供する。杉本秀夫施設長は今回を皮切りに、県外でも愛好者を増やしていきたい考えで「肉好きが集まる東京で、ジビエ料理のおいしさが広まる足掛かりにしたい」と話した。