宇出津港に並んだブリ。好調な水揚げが続いている=2日、能登町

ブリ漁、産地で明暗 宇出津豊漁、七尾は不漁

2018/12/31 02:29

 能登町宇出津港で冬の味覚「寒ブリ」が豊漁となっている。11月からの水揚げ量は30日までに約1万9900本(183トン)で、不漁だった昨季を既に上回った。市場に並ぶブリは10キロ以上の大型も多く、連日、港は活気づいている。一方、七尾市公設地方卸売市場では11月からの取引量が約17トンと低調で、30日の「止め市」で競りに掛けられたのは20本と、県内の主要産地で明暗が分かれた。

 

 宇出津港では今季、漁期序盤の11月14日に約1200本が水揚げされるなど、安定した出荷が続いており、昨年11月から今年2月の水揚げ量1万8313本(127トン)を超えた。8~9キロのブリが多く、10キロ以上が対象の地域ブランド「宇出津港のと寒ぶり」も621本に上り、昨季の148本の4倍以上だ。

 

 現在のペースで水揚げが続けば、豊漁だった5季前の4万2033本(380トン)に匹敵する量となる。県漁協能都支所の担当者は「ここ数年でトップクラスの水揚げ。たくさん揚がれば安く提供でき、おいしいブリを食べてもらえる」と今後の水揚げに期待する。

 

 「まんで少ない」。宇出津の豊漁を横目に、ため息が聞こえてくるのは七尾市公設地方卸売市場だ。11、12月の取引量は約17トンで、豊漁だった5季前と比べて4分の1以下となった。止め市に集まった競り人も一列分しか並ばないブリに残念そうで、岸端定置網組合(同市)の一瀬保夫組合長は「収入の多くを占めるブリの不漁が続くと、経営が傾きかねない」と頭を抱える。

 

 富山県の主要産地である氷見でも今季、千本以上とれた日が1日もなく、水揚げ量が伸び悩んでいる。

 

 県水産総合センター(能登町)などによると、ブリは冷たい海水を避ける習性があり、5~6月に日本海を北上し、11月に水温が下がると南下を始める。富山湾の水温が高く、能登半島の北側が低いと湾内を回遊し、各港の水揚げ量が増える傾向にある。

 

 同センターが28日に発表した漁海況情報では、石川県周辺海域の水温は平年より1~2度高い。このため七尾の漁業関係者は、通常なら湾内まで南下するブリが、能登沖でとどまり、宇出津港の水揚げ量が増えた可能性を指摘した。

 

 センター担当者は、明確な理由は分からないとし「まだブリが全て南下していないかもしれないので、年明けにも七尾や氷見で魚群が入る可能性はある」と話した。