立柱式が行われた鼠多門。復元整備中の鼠多門橋は市道をまたぎ、右側の尾山神社境内に架けられる=金沢城公園

鼠多門骨組み現る 金沢城公園で立柱式 130年の時を超え

2018/11/22 02:15

 金沢城公園で県が復元工事を進める鼠多門(ねずみたもん)の建設地で21日、明治期に焼失した門の骨組みが約130年の時を超えて姿を現した。同日、立柱(りっちゅう)式が行われ、関係者は最も太い柱である鏡柱(かがみばしら)を据え付け、堅固な門の完成を祈願した。

 

 鼠多門は金沢城玉泉院(ぎょくせんいん)丸から金谷出(かなやで)丸(現・尾山神社)へ通行する門で、江戸前期に建てられ、1884(明治17)年に焼失した。石垣の上に木造2階建てのやぐらを備え、壁には全国の城郭建築で例のない黒漆喰(しっくい)が使われていた。

 

 門はやぐらの幅が約22メートル、奥行き約7メートル、門とやぐらを合わせた高さは約12メートルで、能登ヒバなどの県産材を7割以上使い、往時に近い姿に復元する。6月に起工式が行われ、約5カ月間で基礎工事を終えた。立柱式後、木材で門の骨格を組む木工事に移り、今年度内に上棟式を行う予定だ。

 

 立柱式には、施工業者の兼六・松浦・ほそ川特定建設工事共同企業体の代表や棟梁(とうりょう)ら約30人が参加した。鏡柱の設置場所などを酒や塩、米で清めた後、大工が高さ3・4メートル、重さ約500キロの柱をクレーンでつり上げ、扉を支える位置に木づちで打ち込んだ。

 

 県は、門と尾山神社間で復元整備が進む長さ約32メートルの鼠多門橋と合わせ、2020年の東京五輪・パラリンピック開催までの完成を目指す。総事業費は約20億円の見込み。門と橋が完成すれば、長町武家屋敷跡から尾山神社を通り、金沢城公園などを巡る加賀藩ゆかりの歴史回遊ルートが形成される。

 

 金沢城復元「匠(たくみ)の技」セミナーは県金沢城・兼六園管理事務所で開かれ、40人が復元に携わった職人から工事の概要や苦労を学んだ。

 

 建築、左官、建具、鳶(とび)など8業種の団体の責任者がそれぞれの担った工程を振り返った。鼠多門復元整備も説明された。石川の伝統的建造技術を伝える会が主催した。