美術館内に展示された六曲一双屏風の前でフルコースを紹介する東さん=羽咋市滝町

美と食、味わう場復活 羽咋で来年4月 4年ぶり私設美術館

2018/09/14 02:09

 羽咋市滝町で水産加工業を営む東(ひがし)寿郎さん(57)は来年4月、自宅の私設美術館を4年ぶりに開所する。収集してきた日本画や書などの鑑賞を楽しんでもらうとともに、自身の企業で作った魚の一夜干しや、地元の滝港で水揚げした鮮魚の刺し身なども提供し、美術と食の2本柱でふるさとににぎわいを呼び込む。

 

 かつて大型底引き船主だった東さんは2010年5月、滝の地域活性化を願って、自宅に「姫丸美術館」を開設した。日本画や彫刻、書、陶器、海図、民俗資料など、収集した約500点を所蔵し、うち約150点を展示してきた。館内では食事もできるようにしていた。ただエアコンがなかったため夏場は暑く、冬場のストーブ使用には、防火面で不安があったという。

 

 やがて本業の水産加工業「姫丸の一夜干し」の業務が多忙となり、14年秋に美術館の作品公開と食事処の営業をいったん終えた。本業の運営は軌道に乗ったが、自身の思いが詰まった美術館と飲食スペースを閉めたままにしているのが心残りだったため、東さんは従業員を雇用し、美術館運営を再開すると決めた。

 

 国の小規模事業者持続化補助金を活用して、美術館や飲食場所などにエアコン4台を導入した。自慢の一夜干しや、滝港で水揚げされた甘エビの刺し身などのフルコースを味わえる飲食スペースも設けることにした。

 

 東さんは、将来的には美術作品に囲まれた環境で宿泊できる施設を作る構想も持っており、「能登の一夜干し文化と美術を一度に堪能できる施設に多くの人を呼び込み、滝のにぎわいに貢献したい」と話した。