県内で飼育されている豚。県畜産試験場がいしるの残りかすを混ぜた飼料を考案した=2013年5月、輪島市内

能登豚、いしるで飼育 石川県畜産試験場、ブランド向上へ研究 残りかす活用

2018/09/14 02:09

 石川県畜産試験場は13日までに、能登伝統の魚醤(ぎょしょう)「いしる」の製造で生じる残渣(ざんさ)を混ぜた能登豚の飼料を考案した。イカ由来の残りかすを混ぜた餌を与えると、生活習慣病予防に効果があるとされる機能性油脂が通常の能登豚の7倍超に増えることが判明。試験場は能登豚のブランド向上に向け研究開発を進めており、2020年度以降の実用化を目指す。

 

 能登豚は県内で肥育された後、県金沢食肉流通センターで処理され、日本食肉格付協会によって格付けされた豚肉。

 

 能登豚推進協議会が設立された2014年以降の年間出荷頭数は4万頭台とほぼ横ばいで推移しており、このうち特殊な餌を与え、必須脂肪酸の「α―リノレン酸」を多く含む「αのめぐみ」は17年度で約6700頭出荷されている。

 

 試験場は、出荷を拡大させるには「αのめぐみ」以外の豚肉でも、栄養価や味などで他産地との差別化を図り、ブランド価値を高める必要があるとして、15年度から飼料にいしるのかすを活用する研究を始めた。

 

 試験場によると、いしるのかすには生活習慣病対策に役立つとされるドコサヘキサエン酸(DHA)やエイコサペンタエン酸(EPA)といった機能性油脂が多く含まれる。ただ、県内の製造業者では年間約150トンを廃棄しており、費用負担は約750万円に上るという。

 

 研究では飼料にイカ由来の残りかすの油分を1%混ぜ、出荷6~8週間前から豚に与えたところ、餌を食べた豚肉のDHAが通常の7倍超に増えているのが確認された。今後は19年度末までをめどに、味や肉質を損ねることなく栄養価を高める飼料の配合を探る。

 

 試験場の担当者は「能登ならではのいしるは肉のブランド価値アップにもってこい。品質向上に加え、廃棄物を有効活用する側面もあり、一石二鳥の効果を実現させたい」と話した。